2005年11月09日

怖いもんなし。

先日まで駐米英国大使だったSir Christopher Meyerが、ワシントンでの出来事をあれこれ綴った書籍の抜粋が、今週のガーディアンに連載されている。

例えばこうだ。
The case of the wrong trousers, Monday November 7, 2005
On that occasion, the dress code was once again "smart casual". As we were called to dinner I saw Tony and Cherie talking to each other in consternation. "I am the only one wearing jeans. I have to change," I heard him say. He raced back to the guesthouse. The president, at another table, rose to his feet to give a toast of welcome to the prime minister and his wife. To my horror I saw that Blair had not returned from changing his trousers. As her husband began to speak, Laura Bush whispered to me: "Where's the prime minister?"
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"Bushie," Laura called out, "you'll have to sit down. The ambassador says that the prime minister has gone to adjust his dress."

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そのときもドレスコードは「スマート・カジュアル」だったのだが、晩餐の準備が整ったとき、ブレア夫妻はびっくりした様子で話をしていた。「ジーンズで来ているのは私だけか。着替えをしなくては」とトニー・ブレアが言うのが私の耳に入った。彼は大急ぎでゲストハウスへ戻っていった。別のテーブルについていたブッシュ大統領は立ち上がり、首相夫妻に歓迎の杯を掲げた。しかし恐ろしいことに、ブレア首相はまだ着替えから戻ってきていない。大統領が話し始めると、ローラ・ブッシュが私に耳打ちした――「首相はどうなさったの?」
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ローラは「あなた」と声をかけた。「お座りなさいな。首相はお召し物のお直しで席を外されていらっしゃるんですって、大使からうかがいましたわ。」


まさかこんなところで「うそ」とか「ジョーク」はかまさないだろうから、これは本当にあったことをちょっと面白おかしく書いているだけだと私は考える。それを前提にして……ホワイトハウスでの晩餐会でのドレスコードが「スマート・カジュアル」だからって、ジーンズ? ブレアってのは(ステレオタイプの)アメリカ人じゃないのか

(っていう反応を狙って書いているんだと思うけどね。)

それから、The pygmies in Tony Blair's cabinet, Tuesday November 8, 2005、これがまた、マニアにはたまらない。続きを読む
posted by nofrills at 23:47| todays_news_from_uk | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

white phosphorous は「白燐」か「黄燐」か?

ファルージャでの「化学兵器」についてのイタリアRAIテレビの報道について、さっきちょろっとメモった通り、teanotwarの方でいくつかファイルをアップしました。

英語圏での報道の最初のものの1つであるThe Independentの記事の日本語訳(益岡さん)
白燐弾について、去年の記述のまとめ(Raed blogの引用が中心)(私)
イタリアRAIテレビのフィルムの内容についてと、ダウンロードするためのリンク(オンラインで主要な部分は見られます)(私)

――どうぞ皆さま、とりあえず記事はお読みいただければと思います。(私がやった記事に、一部非常に生々しい写真が含まれています。ファイルにも注意書きを添えてありますが、ご病気の方やお腹に赤ちゃんがおられる方は、十二分にご注意ください。)

で、ですね……いやもうね、私は兵器はド素人、化学もド素人なので、兵器の名前とか化学物質の名前とか、大変なんですよ。読んでも頭に入らないものの方が多いし(それは単に「年」とも言うし、そもそも覚えようという努力が欠けているのだが)。

それで今回、ファルージャで用いられたというwhite phosphorousなんですが、これ、訳語をどうするかちょっと調べてみたら単純におもしろかったので、そのことをこの記事に書きます。続きを読む
posted by nofrills at 22:21| re-word | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

エドワード・カーソン――「テロ組織」を作った英国会議員

北アイルランドのテロ組織のひとつに、UVF (Ulster Volunteer Force)というのがある。
http://en.wikipedia.org/wiki/UVF

先日活動停止と解散を明らかにしたLVF (Loyalist Volunteer Force)は、1994年にこのUVFから分派した超過激派だった。
→BBC記事:LVF's short but turbulent history

UVFは1966年5月に次のような声明を出し、カトリックの人が経営するパブや酒屋に火炎瓶を投げ込んだ(そして隣の家のプロテスタントの一般市民、それも高齢の女性が犠牲となったのだが)ころから始まっている。
http://cain.ulst.ac.uk/othelem/chron/ch67.htm
The UVF issued a statement in May 1966 containing the threat that, "known IRA men will be executed mercilessly and without hesitation".
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「IRAメンバーと判明している者は、容赦なく、また躊躇することなく処刑する。」


CAINデータベースより、紛争で犠牲になった人を殺したのはどの組織かの一覧を見ると(主だったものだけ抜粋)、
英軍 297
RUC 55(アルスター警察)
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リパブリカン側の組織:
INLA 113 (IRAから分派した超過激派)
IRA (PIRA) 1706 (いわゆる「IRA」。やはりダントツに多い)
Real IRA 29 (1998年8月のオマー爆弾で29人殺した)
※これらのほか、名前は特定できないが、リパブリカン組織による死者は89人。
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ロイヤリスト側の組織:
LVF 18 (Loyalist Volunteer Force;UVFから分派した超過激派)
RHC 13 (Red Hand Commando)
RHD  8 (Red Hand Defenders)
UDA 112 (Ulster Defence Association)
UFF 147 (Ulster Freedom Fighters;UDAの別名)
UVF 426 (Ulster Volunteer Force)
※これらのほか、名前は特定できないが、ロイヤリスト組織による死者は252人。


というように、ロイヤリストの組織の中でダントツに多い人数を殺しているのがUVFである。彼らが殺した数は、英軍が殺した数よりも多い。(IRAの1706という数はひどすぎるのだが、それはここでは本題ではない。)

殺伐とした記述ですみません。

このUVF――1966年に「IRAメンバーは容赦なく処刑する」と声明を出し、the Troublesで426人を殺した組織――は、1912年のThird Home Rule Bill(第3次アイルランド自治法)に反対して結成された同名の組織に因んで名づけられている。因んでいるだけで、直接のつながりはないようだ。

1912年のUVFを作ったのは、エドワード・カーソン(Edward Carson)という人物である。
http://www.bbc.co.uk/history/war/easterrising/profiles/po20.shtml
http://en.wikipedia.org/wiki/Edward_Carson

「元祖ロイヤリスト」みたいな人物だが、実は北アイルランド出身者ではない。宗教的にもアルスターのプロテスタント(=プレスビテリアン)ではなく、アングリカンだ。

しかしこの人物のこと、私は北アイルランド問題について調べるようになるずっと前から、名前だけは知っていた。というか、「あのカーソンがこのカーソン!」であるが。続きを読む
posted by nofrills at 01:45| todays_news_from_uk/northern_ireland/people | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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