2006年05月31日

北アイルランドのdirty war、根深すぎ。

あんまり時間がないのではしょるが、今週日曜日、アイルランドのタブロイドが、「シン・フェインのナンバー2のマーティン・マクギネスが英国のスパイ」と報じた。マクギネス本人とシン・フェインはもちろん、DUPあたりも、警察も政治家も、「くだらない」「ナンセンス」とカテゴリカリーに否定した。

関連記事@はてブ:
http://b.hatena.ne.jp/nofrills/Martin%20McGuinness/
※とりあえず見たもの全部ブクマしてあるけど、概略を把握するためにどれか1つだけ読みたい人はテレグラフ(ベルテレではなく)かタイムズ、さらにそれをどう読むべきかの指針が知りたい人はスラオさんのWould I spy?(コメ欄も)をどうぞ。

マーティン・マクギネスといえば、泣く子も黙るリパブリカンだ。
http://en.wikipedia.org/wiki/Martin_mcguinness

仮に彼が「英国のスパイ」であったとすれば、IRAのテロのどんだけの部分が「英国」の仕業なんだ、という話にもなる。dirty warはどこまで根深いのか。続きを読む
posted by nofrills at 08:50| todays_news_from_uk/northern_ireland | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月30日

幸せの青いシャツ――the Wrong Guy騒動、続報。

BBC News24における「IT専門家」人違い事件@BBCの続報。

IT分野の就職面接に出かけたのに、アップル裁判についてニュースでインタビューに応じるはめになってしまったガイ・ゴーマさん、残念なことに、結局、応募していた職はゲットできなかったそうだが、あのとき着ていた水色のシャツをオークションに出し、その売り上げをチャリティ組織Oxfamに寄付するという。

■オークションの画面のキャプチャ@日本時間30日午後11時ごろ
guyshirt.png

'Wrong guy' loses shirt for Oxfam
http://news.bbc.co.uk/2/hi/entertainment/5029244.stm

This is the shirt I wore which nearly got me a job on the BBC," he wrote on the 15 Minutes auction website, where it is being sold.
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"I didn't get the job but I did become an overnight celebrity. I'm auctioning this shirt off so that someone else can be as lucky as I was.
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posted by nofrills at 22:55| todays_news_from_uk | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「ベッカムのラップ」(幻)

http://music.yahoo.co.jp/music_news/d/20060530-00000508-bark-ent
ニュー・オーダーとベッカム、幻のコラボ
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ニュー・オーダーは、前回のワールド・カップでイングランド・チーム・キャプテンのデヴィッド・ベッカムとコラボした曲をリリースする計画を立てていたそうだ。彼らは、'90年のW・カップでイングランド・チームのオフィシャル・ソングだった「World In Motion」を、ベッカムのラップで再リリースしようとしていたものの、最後の最後でFA(フットボール・アソシエーション)からレッド・カードを受け取ったという。……


ニュー・オーダー+「ベッカムのラップ」は、あらゆる点で気になってしょうがないので、何年かして「様」が引退したときにでも、一応やってみるだけはやってみてもらいたいと思う。続きを読む
posted by nofrills at 19:12| todays_news_from_uk | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

カンヌ国際映画祭、パルムドールはケン・ローチの作品

Loach film wins top Cannes prize
http://news.bbc.co.uk/2/hi/entertainment/5025812.stm

ベタなラブコメが「英国映画」として盛んに売り込まれているのに、ついついついイケナイ言葉を連発して呪っていた向きには朗報だ。マイク・リーの『秘密と嘘』以来10年ぶりにカンヌで頂点に立った英国映画は、マイク・リーと同様に「社会派」と形容されるケン・ローチの新作である。

この映画、The Wind That Shakes The Barleyは、アイルランド独立戦争と2人の兄弟のドラマである――というか、Black and Tansと呼ばれた英国の治安部隊が、手を血に染めてアイリッシュ・ナショナリズムを叩き潰そうとしていたときの、物語である。別の言い方をすれば(そしてBBCはそういう言い方をするのだが)、IRA勃興期の物語である。主演はキリアン・マーフィー。

ローチはBBCのインタビューに答えて、「自分たちの街が軍隊に占領されていること」がコアだというようなことを言っている。

ここで明らかなように、この映画は、1920年代のアイルランド島を描きつつ、実はイラク戦争・占領(およびその他の「戦争・占領」:ただし直接的にはイラク)を批判する映画で、受賞のときローチは、"Maybe if we tell the truth about the past, maybe we tell the truth about the present"と述べている。

今は私には時間がないので、興味がおありの方は、関連記事をはてブから参照してください。
http://b.hatena.ne.jp/nofrills/Ken%20Loach/

それと、興味のある人で可能な人は、今日30日(火)29:10〜、STAR CHANNEL Hで放送される『ブラック・アジェンダ/隠された真相』をぜひ。私は環境がないので見られないのですが、これは1990年のケン・ローチ作品で、The Wind That Shakes The Barleysとストレートにつながっている、ただし時代は1980年代に設定された映画です。日本では劇場未公開でソフトもありませんが、私はUK版を入手しようと思っています。

ところで映画のタイトル、The Wind That Shakes The Barleysなんですが・・・続きを読む
posted by nofrills at 08:23| todays_news_from_uk | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月29日

5月16日のthe Independent (RED)の写真

在英の知己が送ってくれていた、2006年5月16日のthe Independent (RED)の現物の写真。

関連記事:
「the IndependentとBono@5月16日」、5月13日
「the Independent + Bono」、5月16日

Flickrに上げてあります。以下の画像(横幅240ピクセル)をクリックすると、Flickrサイトで横幅500ピクセルの画像が閲覧できます。また、画像は横幅800〜1000ピクセルくらいでアップしてあるので、下記のようにすれば、文字が読める大きさで表示されます。
flickrbutton.jpg

■表紙(1面)
01_no news today続きを読む
posted by nofrills at 23:57| todays_news_from_uk | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月19日

Conspiracy Law(英国の共謀罪)

イギリスの共謀罪について、ちょっとだけ調べてみた。優秀な官僚にすらわからないことについて、私に何ができるのかわからんけど。

「監視社会を拒否する会」さん記事、「共謀罪と監視社会」を問う市民集会報告 (06-01-27)より:
村井敏邦さん(龍谷大学教授)
 行為と結果があれば処罰するというのが刑法の原則です。しかし、行為も結果もないのに、何人かで合意した事実さえあれば処罰しようというのが共謀罪です。もともとは、十九世紀はじめにイギリスで労働組合が賃上げ要求集会を開くことを「取引の自由侵害」として処罰するために用いられた概念であり、これがアメリカに渡って労組弾圧のために猛威を振るった。雇用主や政治的な反対派を押さえつけようとしている人たちには大変有効な犯罪名になる。これが共謀罪のもともとの成り立ちであり、現在の使われ方です。


村井教授は元日本刑法学会理事長で、2006年4月30日の「情報流通促進計画」さんの記事では、与党の修正案について、村井教授が「修正案では適用範囲を制限することはできない」「逆に適用範囲が広がる」と指摘なさっていることが報告されている。

ともあれ、「もともとは、十九世紀はじめにイギリスで……用いられた概念であり」の部分を、もうちょっと調べてみたい。

「さかのぼりすぎ」というツッコミはなしの方向で。続きを読む
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共謀罪(ちょっとだけ英国の法律関連)

医療制度関連法案の採決、それも強行採決がなされたばかりだが(リンク先はタイゾーくんの日本語の論理構造を検討しておられるブログ)、次は教育基本法か共謀罪かというところである。レイムダック小泉内閣で。まったく、政権末期ってのはあぶないあぶない。

保坂議員のブログから:
共謀罪、荒波高まる。教基法特開催は先送りへ 2006年05月18日
http://blog.goo.ne.jp/hosakanobuto/e/dc704ba23e6fe7c8d38fb4fb8fd86b5f
教育基本法特別委員会の開催は見送られたが、次に法務委員会理事会は異様な空気に包まれて始まった。「民主党との修正協議は続けているが、その協議が実っても実らなくても、明日の委員会日程を立てたい」と強硬な提案が与党側からあった。昨日の厚生労働委員会での強行採決を受けて、今後の日程協議には応じられないという野党の立場だが、与党側は明日の朝、9時20分理事会・9時30分委員会で2時間審議で質疑終局・採決を提案した。「明日の委員会の内容の協議は出来ない。質疑終局・採決などもっての他だ」と反発。平行線のまま、いったん休憩となった。このままだと、与党単独で法案を修正の上、採決に突入する危険性が高まってきた。


アップデート
情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士さんがトラバで知らせてくださった。朝日、18日23:45記事(まったく何て時間だ!)、与党側は「法案の審議は十分尽くした」としており、19日に採決する方針だだそうです。

共謀罪創設法案、19日採決へ
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 犯罪の企てを話し合ったとみなされただけで罰せられる「共謀罪」を創設する法案をめぐり、衆院法務委員会の理事会が18日開かれ、石原伸晃委員長は19日午後に委員会を開くことを職権で決めた。与党側は「法案の審議は十分尽くした」としており、19日に採決する方針だ。民主党との修正協議を同日昼まで続け、不調に終われば、4月末の与党修正案を取り下げた上で、与党単独で「再修正案」を提案するという。与党が強行採決に踏み切れば、民主党は19日以降、すべての国会審議を拒否する方針だ。
 ……


うはー。

あと、ヤメ記者さんが紹介しておられる法務省のプリント(としか呼びようがない)のPDFがすごいよ。
組織的な犯罪の共謀罪 〜対象となり得るケース・ならないケース

根拠も理由も何も書いていない。

たとえばね、「友人数人で代金を出し合ってCD1枚を買って、人数分コピーすることを合意」するのは、「共謀罪にはならない」のだそうですが、それはなぜか、がまったく書かれてない。この紙ペラのあとに説明のページがあるのかと思って一生懸命スクロールしちゃったじゃないのさ。

end of アップデート続きを読む
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2006年05月18日

「下の下」――Ballymena少年襲撃殺人(3)

マイケル・マッカルヴィーン葬儀は、「プロテスタントもカトリックもない、バリミーナという場所全体の事件」であるということを示しはしたが、これはおとぎ話ではないので、これで対立が終わって“みんな”が仲良くなったりしない。

葬儀に参列した人の車が教会から出て行くときに、車に向かって、石を投げるという愚行をするロイヤリストがいたという(ガーディアンBBC)。Slugger O'Tooleではこれを「下の下(Lowest of the low)」というタイトルで報じている続きを読む
posted by nofrills at 21:27| todays_news_from_uk/northern_ireland | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

セルティックのユニとレンジャーズのユニ――Ballymena少年襲撃殺人(2)

おそらくこれまでに何人もの「Michael McIlveen(マイケル・マッカルヴィーン)」がいて、しかもそれは北アイルランドだけでなく世界の各地にいて、マイケルのように命まで奪われなくても精神が殺されているような人たちもたくさんいる。

そういうことは、知らされることがなければ、あるいは知ろうとしなければ、知ることもない。知ったとしても「元々対立していた」というような“わかりやすい説明”を貼り付けて終わらせようとすることもある。イラクについての「シーア派」と「スンニ派」とか、あるいは1994年のルワンダの「ツチ」と「フツ」とか。

そこでは人の集まりはどこまでも「集団」であって、個人個人ではない。「スンニ派によるシーア派を狙ったテロ」で「15人が死に30人が負傷した」、「両者はかくかくしかじかの理由で対立している」(あるいは「スンニ派はシーア派に対抗している」)と説明されて終わりだ。死んだ15人それぞれの個など、省みられることもない。それが「紛争」ってもの、その現れ方のひとつだと思う。

「紛争は終わった」ことになっても、その紛争のメンタリティは終わるわけじゃない。IRAが武器をおいて、ストーモントのアセンブリーが再開したからって、「プロテスタント」対「カトリック」のメンタリティは過去のものになっていない。「紛争」真っ只中を知らないはずの10代後半の子たちが、「カトリック」を襲撃する。

人が「人間」である前に、「カトリック」であるようなナンセンス。

17日、Ballymena(バリミーナ)でマイケル・マッカルヴィーンの葬儀があった。1000人近くが参列したという。BBC Newsの北アイルランドのページのトップに、その記事があった。

greenandblue.png

偶然だが、葬儀の記事の隣には、ベルファストの「伝説」の壁画がお目見えしたという小さな写真つきのヘッドラインがある。続きを読む
posted by nofrills at 20:00| todays_news_from_uk/northern_ireland | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

なぜなら彼は「カトリック」だったから――Ballymena少年襲撃殺人(1)

ベルファストから北西に位置するCo Antrimに、Ballymenaという都市がある。
http://en.wikipedia.org/wiki/Ballymena

アイルランドのなかでもずいぶん昔から、隣からの侵略を受けてきた場所のひとつで、人口の大半がプロテスタントだ(CAINにある2001年のセンサスのデータによると、カトリックは20.97%)。というよりも、Ballymena選出の英国会議員は、過激な宗教指導者にしてDemocratic Unionist Partyという政党の設立者・党首であるIan Paisley(80歳)である、という事実の方が多くを語るかもしれない。ちなみに、俳優のリーアム・ニーソンはここの出身だ。

そのBallymenaで、今月初めにある事件が起きて、人が死んだ。

15歳の少年が、夜間に繁華街のピザ屋にピザを買いに出て、別の少年たちのグループに襲撃され、ぼこぼこにされた。襲撃された少年は何とか家まで戻り、即座に病院に搬送された。しかし命はもたなかった。
http://news.bbc.co.uk/1/hi/northern_ireland/4752571.stm

その少年、Michael McIlveenはカトリックだった。彼を襲撃したのはプロテスタントの――いや、正確には「ロイヤリスト」と言うべきだが――10代男子のグループだった。

マイケルはほかの友人たちと一緒にテイクアウェイのピザ屋に出かけていた。その帰り道で、「ロイヤリスト」のグループが彼ら「カトリック」のグループを襲撃した。ほかの子たちは逃げることができたが、マイケルは追い詰められて、ぼこぼこにされたのだ。死ぬほどに。「カトリック」だったから。続きを読む
posted by nofrills at 19:28| todays_news_from_uk/northern_ireland | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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