http://news.bbc.co.uk/1/hi/uk_politics/3754559.stm
注意:人によっては極めて不愉快に感じる写真があります。とりあえず私はものすごく不愉快です。(なぜならば私はブレアの顔なぞ見たくもないので。)
BBCのラジオでギリガン記者が例の“報道”をしてから1年,だそうです。記事そのものより,写真がインパクトでっかいから写真について。
トニー・ブレアという人は,97年に首相になったころは「バンビ」とか呼ばれてたと思います。年齢が若いし,見た目も若々しかったし,何つーか,どっしりしたところがなくて,でも「おもしろそーだからやらせてみよう」みたいな雰囲気(漠然とした期待……この人ならこの英国を変えてくれるんじゃないかという)があったということは,英国の人たちから聞いています。
でも,やっぱり政権の座につくとあれこれあるわけで,スピンドクター騒動,bury the bad news騒動,シェリー・ブレア(ミセス・ブレア)のフィットネスの先生の経歴騒動(怪しげな健康茶を売って有罪になってた)と不動産スキャンダル(いわゆる「シェリー・ゲート」)などなど,逆風が強まったときも多くあった。そもそも労働党党首になったときのブラウンとの「密約」というのもあった。
つまり,「清新な改革派」の顔をして,実はごく当たり前のようにどろどろしていた,と。
でもブレアはそういうスキャンダルで傷つかなかった。何があってもつるんつるんとはじいてしまう。
だからついたニックネームが……「テフロン・トニー」。(テフロン=フライパンに使われるあのテフロンです。)
で,この記事の写真は,これまでにないほどにテフロンっぽくって,んで,私にはとても気持ち悪いのです。
ギリガンについては,「ハットン・インクワイアリ」でこことかにいろいろ書いたと思います。まあ適当に探してみてください。一言で言えば,英国政府の「イラクの大量破壊兵器は45分以内で使用可能」という文言が,「潤色sex up」されたものだという報道の当人です。ハットン・インクワイアリで「検証が不十分だった」「根拠のないことを報道した」と断罪され,BBCを辞めることになりました。
記事は「この1年のまとめ」で,要約すると「何も進展してないから,ブレアはもうだめなんじゃないのか」です。普通にブレア批判の記事ですが,ディテイルに,英国らしさというか,今回の対イラク武力行使についての傲慢さが現れています(用語のレベルとかで)。
■追記:
サー・ポール・マッカートニーの批判。
http://news.bbc.co.uk/1/hi/entertainment/music/3756545.stm
「あまりに急ぎすぎた。もっと時間をかけて国連と一緒に行動すべきだった」という主旨。あんまりものを考えてなさそう。
私はこの意見にはまったく一切賛成しません。経済制裁だの飛行禁止区域空爆だのを重ねておいて,「急いだ」とかそういう問題だとは思わないので。
■追記2:
イラク移行政権の首相に指名された方は,1991年の蜂起を画策した亡命在英イラク人。4月にはファルージャ包囲攻撃に抗議して統治評議会を辞任している。。。裏切られても裏切られても,か?この件はとりあえずこっちで。