2003年12月29日

数ヶ月前をたどる。

スピードが速いね。時にはちょっと昔を見直すのもよいだろう。別に「昭和レトロ」とか『映像の世紀』じゃなくてね。今年の7月を。

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DoXさん,12月23日
※読んでから反応するのに1週間が必要でした。7月30日に私が書いたこと。どーよこの,リアリティのなさ。

っていうか「リアルなもの」として受け取る胆がなかったんだけど。

そう,実はこの時期にはすでに,自衛隊は動いていた。

私の住んでいる場所は,陸上自衛隊の駐屯地への飛行機のルートの真下にあるので,1日に1度は自衛隊の飛行機が頭上を通る。

その頻度が多くなってきていることに気付いたのは7月。8月は日に何度も轟音を耳にした。9月もそう。だいたい午前10時とか,午後3時とか5時とか。空がわりとたくさん見える高台で(東京には空がないのです),V字型になってあっちからこっちへと進む飛行機を見た。ものすごい音だった。

ところが9月末にはそれがほとんどなくなった。通常の感じ,つまり1日1度程度。そのころテレビでは「衆議院の解散」についてあれやこれやがニュースのネタになっていた。

10月は飛行機の音はあんまりしなかった。11月9日までは確実に,飛行機の音は少なかった。(選挙カーの方がうるさかった。)

選挙で与党が勝利すると,夏以上にすごいことになった。朝の5時半に空から重低音が降ってきたこともあり(マジで目が覚めたよ。赤ちゃんとかいる家は大変だっただろう),夜の11時に重低音が尾を引きつつ消えていったこともある。11月が一番うるさかったかもしれない。

世間が仕事納めになって,ここ数日はかなり静かだと思う。

それはそうと,7月なのだ。7月30日に私が書いたこと。

ここで私が参照しているのは,英エコノミストの記事である。

エコノミストというのは保守っていうか,現在はほとんど親ネオコンとも言えるほどのメディアで,私は自分の立ち位置を確認したい時に時々参照している。

エコノミストは"self-defence forces"というコトバのからくりも容赦なく1行で蹴飛ばしている。(つまり「どんな呼び方をしようと軍隊は軍隊である」としている。)そしてその上で,Japan is starting to take its security responsibilities seriously. High time tooという言い方をして,日本の自衛隊派遣を歓迎している。(「日本は安全保障の責任をまじめに受け取り始めている。確かにそうしてもよいころだ」というような意味。)

エコノミストは言う。

During the 1991 Gulf war, its contribution was financial and logistical, but not military; during the war on terror, it has been purely verbal: valuable in both cases, but not nearly enough. This is the strange world of Japanese security policy, almost 60 years after the end of the second world war.


つまり「91年の湾岸戦争はカネとロジだけ。対テロ戦争[ママ]では今のところ口先だけ。とてもじゃないが不十分じゃないか。変なの」と言っている。(ここで私はすげー作為的な日本語の使い方をしてるんだけどね。)

以下,しばらく引用を続ける。

Reformers within Mr Koizumi's administration next want to see Japan award itself the right of collective self-defence, which means that its forces would be able to defend not just Japan and themselves, but their allies as well.
小泉政権の改革派が次に狙うは,集団的自衛権。つまり日本だけではなく,同盟国もまた防衛できるようにすること。
※原文ではtheir allies と複数形だが,小泉首相の「唯一の同盟国」を考えるなら複数形はおかしい。つまりここでいう「同盟国」は「米国」のユーフェミズムとなりうる。


But a revision, 60 years on, is nothing to fear.
60年経っているのだから,改革を恐れるべきではない。


ジョージ・オーウェルの亡霊が私を襲う。reformだのrevisionだのということばたち。ことばに惑わされてはならない。ことばとは意味に貼られたレッテルに過ぎない。どのようなレッテルを貼るかは,彼らの思うがままだ。

私はここにこそ注意すべきであったのに。

自衛隊の飛行機の音を毎日耳にしながらも,私はそんなことにも気付かなかった。ばかばかばか。

ちなみにこのエコノミストの記事には「平和憲法」のことはこれっぽっちも書かれていない。

勝手なもんだ。都合のいいところだけつまみ食いしていやがる。

そしてこの記事には,自衛隊の目的として,次のように書かれている。これがおそらく真実だろう。嘘にまみれた英国のマスコミの中にある,一片の真実。

parliamentary approval to send about 1,000 troops to Iraq, to help the British and American occupation forces there
国会は,現地にいる英米の占領軍を助けるために,イラクへ1000名を派兵することを承認


そして12月,タイの軍隊にも死者が出た。タイの首相は小泉首相と同じようなことを語っている。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/asia-pacific/3352137.stm

BBCから引用。記事の末尾部分:
Ordinary Thais have shown strong support for the soldiers since they have been in Iraq.
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But the deaths of the soldiers are likely to have an impact elsewhere in the region, our correspondent adds.
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About 1,000 Japanese troops are due to enter Iraq in the next months on what is described as a humanitarian mission.
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It will be Japan's biggest overseas deployment since World War II.


BBCがこういう書き方をしている。そこにメッセージを読み取るべきであろう。

もう一度,エコノミストの本音を引用する:
to help the British and American occupation forces there
現地にいる英米の占領軍を助けるために


7月30日にはこうだった。それはエコノミストに刻印された事実。
posted by nofrills at 05:21| i_dont_think_i_am_a_pacifist/words_at_war | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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