2005年06月01日

国際刑事裁判所

すっかりwikipedia依存だが,ウィキペディア(日本語)>「国際刑事裁判所」でこの1年のあれこれを知る。(<追ってなかったんかい。)
* 国際刑事裁判所は元アメリカ連邦検察官のクリスティーン・チャン(Christine Chung)をウガンダにおける捜査の指揮官とした。 チャンの母国・アメリカ合衆国は、国際刑事裁判所は政治的に利用されうるとして国際刑事裁判所に対して強硬姿勢をとっているが、チャンが選ばれたことにより、そのアメリカ国民によって国際刑事裁判所が政治的な道具ではなく、刑事裁判所として実効的に機能することを証明できると期待する声もある。
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* 2004年6月23日、アメリカ合衆国は、国連平和維持活動(PKO)要員に対する国際刑事裁判所の訴追免責決議案を取り下げる旨を発表した。この訴追免責決議案は安全保障理事会において2002年に採択され、1年毎に更新されていたが、決議案が6月末に失効することを受け、2004年6月17日に国連事務総長コフィー・アナンが免除決議案の更新は「安保理及び国連の信頼性を損なう可能性がある」として更新に反対の意を表明していた。アメリカ合衆国が決議の更新を断念した背景には、イラクにおける捕虜の取り扱いが各国の不信と反発を招き、安保理で採択に必要な賛成が得られない見通しであったことがある。
SOURCE:
UN Press Release (http://www.un.org/News/Press/docs/2004/sgsm9379.doc.htm)
UN Spokesman
(http://www.un.org/apps/sg/offthecuff.asp?nid=596)
USUN Press Release
(http://www.un.int/usa/04_111.htm)
UN News Center
(http://www.un.org/apps/news/story.asp?NewsID=11129&Cr=international&Cr1=court)
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* 2004年6月23日、国際刑事裁判所の主任検察官ルイス・モレノ・オカンポはコンゴ民主共和国における虐殺や拷問などについて公式に捜査を開始したと発表した。捜査の対象となるのは国際刑事裁判所規程が発効した2002年7月1日以降に行われた犯罪である。 今回の捜査は国際刑事裁判所が行う初の公式捜査となる。主任検察官は、「国際刑事裁判所による捜査開始は、不処罰の防止や被害者の保護に向け、国際司法にとって重要な一歩である」と述べた。国際刑事裁判所では既にコンゴ民主共和国における捜査を行っていたが、これは申立てのあった事態が国際刑事裁判所の管轄となる事件かを検討するための予備的なもので、公式の捜査とは区別される。コンゴ民主共和国では1990年代からの政府と反政府勢力との間の紛争により数百万人にのぼる市民が殺害されており、レイプや拷問、拉致、違法な少年兵の使用などの重大な人権侵害の事態が複数の国家や国際機関、NGOから報告されている。
SOURCE:
ICC Press Releases (July 23)
(http://www.icc-cpi.int/newspoint/pressreleases/26.html)
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* 2004年7月26日、国際刑事裁判所は7月26日から7月30日にかけて検察部と書記局の職員を公式にコンゴ民主共和国へ派遣することを発表した。職員は当局や市民、NGOの代表らと非公開の会議を開く予定である。今回の訪問は将来の協力の可能性を見ることを目的としている。
SOURCE:
ICC Press Releases (July 26)
(http://www.icc-cpi.int/newspoint/pressreleases/32.html)
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* 2004年8月、コンゴ民主共和国はアメリカ合衆国と二国間協定を締結し、同共和国内のアメリカ国民を国際刑事裁判所に引き渡さないことを約した。
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……以下略。全文はリンク先にてご参照のほどを。
で,BBCを検索してみたら(<もはや「習性」),4月20日のこんな記事 (by John Simpson)が見つかった。

War crimes - have we learned anything?
http://news.bbc.co.uk/1/hi/world/europe/4456043.stm
↑リンクをクリックすると出てくる画面の一番目に入りやすい位置に,クメールルージュが作ったしゃれこうべの壁というか山というかの写真がありますので,卒倒してしまいそうな方はご注意ください。

すばらしいナラティヴで書かれた記事の一節に,こうある。
Haven't we learned anything? Are we no further forward than we were 60 years ago?


……weって誰? いや真面目な話,これは「一般人称のwe」(=特定の「私たち」ではなく「人間一般」を表す,というのが英文法の解説でよくあるパターン)なんだろうか,それとも,筆者であるジョン・シンプソンがこの記事を――英語で書かれた記事を読む人々を含めて,ある一定の範囲でweといっているのか?

記事全体から判断して,どうやら前者っぽいんだよね。

だから何,というわけでもないんですが。

次。っつかこれが本題。
When the Court was established by an international conference in Rome, only seven countries voted against. They included China, Israel, the United States, and Saddam Hussein's Iraq.
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American hostility towards the ICC, which is based on fears of politically motivated (in other words, anti-American) prosecutions, has lessened slightly as a result of the Darfur crisis.
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It eventually agreed to let those accused of atrocities in Darfur be tried at The Hague, as long as Americans and people from other countries which have not ratified the Court would only be tried in their home countries if they too were accused of war crimes.
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But the result is that only three years after the ICC came into being, it is already subject to the same kind of national pressures which have stopped the UN dealing effectively with crimes against humanity.


うーむ。うーむ。うーむ。

記事全体の話。

記事の導入(起承転結の起)は「今年は60年前の映像を見る機会が多い」という記述。

次(起承転結の承)は「しかし,同様の行為が行なわれたのは何も60年前だけではない。ルワンダ,旧ユーゴは90年代。そしてダルフールは今まさにこのときに起きている」という記述。

その次(起承転結の転)が,上に引用した部分を含む国際刑事裁判所について。そしてそれが,まさに国連と同じように「国家の圧力」にさらされているという指摘。(国連は国家の集合体だから,それぞれの国家が動けば動くし,動かなければ動かない。国家の判断から独立した存在ではない。)

最後(起承転結の結)が,映画『ホテル・ルワンダ』(→この映画について日本語で)――筆者ジョン・シンプソンはまさにあの時にルワンダにいたそうだ。そして記事をこう結んでいる。
It takes more than shaking our heads over old television pictures of piles of bodies to make sure that these terrible crimes aren't repeated.
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Governments will never take enthusiastic action unless they think we really care about these things.


すばらしい記事。冷やかしでもなんでもなく素直にそう思う。

しかし……ルワンダ,ボスニア,チリ(ピノチェト),カンボジア(クメールルージュ),ダルフールなど,この記事に書かれていることだけがすべてではない。

とりあえず,ド=ヴィルパンの首相就任について「イラク戦争に強硬に反対した」とかまだ言ってる新聞記事を読んでちょっとたまったイライラは,この記事を読んで少しは消えた。。。かなあ?(<どういうつながりだ。)

あーダメだ。何をしても頭がもやっとしてるし,関節が痛い。明らかに風邪だなこれは。熱を測ったらそれだけでぐったりしそうなので測れない。

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■蛇足:
ド=ヴィルパン(ドビルパン)について「イラク戦争に強硬に反対した」とかっていうのってさ〜,何かさ〜,例えば数曲だけヒットを出して表舞台から消えた歌手について「ヒット曲『○○』で知られる…さん」とか言ってみるのと同じじゃん? 「みんなが知ってる情報」として共有されているものを持ち出してるだけで,あーあの人ねーとわかるための取っ掛かりでしかない。こんなところ読み流せばいいんだろうが,あんまりあっちこっちに書いてあるからウザくてしょうがない。

そういうのに頼ってると,今回の「EU憲法否決@フランス」の意味がわかんなくなると私は思う。結果だけわかればいいんならそれでも構わないかもしれないけど……。

直前にテレビ演説でシラクも言ってた,「右だの左だのという話ではない」って。

ってことは,シラク的には「右だの左だの」の問題になってたってことだ。

そういうわけ方をするのであれば,シラクもラファランもド=ヴィルパンも,「左」じゃない。そういうときに,「イラク戦争に強硬に反対した」なんて,まったく意味がない。

第一,ド=ヴィルパンは安保理で派手に目立ったからスター扱いされただけで,「イラク戦争に強硬に反対した」のはド=ヴィルパン個人じゃなくて,フランスの為政者たちだ。そして彼らは,平和主義者などではまったくない。

なお,「イラク戦争に強硬に反対した」云々は日本のメディアの記事のことに限らない。BBCまでもそう書いててゲンナリしたのだ。むろん,日本の記事もBBCの記事も,いつまでもだらだらとあの安保理での派手な演説のことばかりを書いているわけではないのだけれども。

ル・モンド記事
Le de'part de M. Raffarin
LE MONDE | 31.05.05 | 13h54

→真面目に読もうとすると辞書と首っ引きで1時間はかかりそうなので,babelfish translationでFrench to Englishで翻訳こんにゃくしてびみょ〜な英語で読みました。

笑ったのが,前回の大統領選挙のときのことを言う"anti-Le Pen"(国民戦線のジャン=マリ・ルペンに反対)が,"anti it PEN"と吐き出されてきたこと……(^^;)。ただし,Le Penが人名ってことは誰もが知ってるから大した問題にはならない。

壊れていたところがおもしろいのでちょっと並べてみよう。

翻訳こんにゃく前(フランス語):
Le 29 mai, le re'fe'rendum a envoye' un message clair : en votant non 'a 54,87 % 'a la Constitution europe'enne, les e'lecteurs ont sanctionne' M. Chirac. Mais la victime expiatoire du de'saveu de la "France d'en bas" est bien M. Raffarin.

翻訳こんにゃく後(英語):
May 29, the referendum sent a clear message: as a voter not to 54,87 % with the European Constitution, the voters sanctioned Mr. Chirac. But the expiatory victim of the disavowal of "France of in bottom" is well Mr. Raffarin.


enはやっぱり難しいのかな。。。

あと,d'en basがof in bottomって,直訳にもほどがある。of in bottomって英語になってないし。

(なお,France d'en bas=「フランスの下の方」=「庶民」の意味だそうです。参考:英国の"middle England"みたいなキーワードかしら?)

別の翻訳こんにゃくを試してみよう。http://www.freetranslation.com/
May 29, the referendum sent a clear message: while voting non to 54,87% to the European Constitution, the voters punished MR. Chirac. But the victim expiatoire of the disavowal of the "France of down below" is well MR. Raffarin.


altavistaよりも良い。"France of down below"って吐き出すのはえらいかも。

さて,お楽しみのぐぐるの翻訳こんにゃく。http://translate.google.com/
May 29, the referendum sent a clear message: as a voter not to 54,87 % with the European Constitution, the voters sanctioned Mr. Chirac. But the victim expiatoire of the disavowal of "France of in bottom" is well Mr. Raffarin.


……だめだ。en votant non 'a 54,87 % 'a la Constitution europe'enneがaltavistaと同じだ。後発のくせにだめだめじゃん。

切り貼り&人力翻訳こんにゃく(結果には責任は持てません)
On May 29, the referendum sent a clear message: with 54,87% of them voting "no" to the European Constitution, the voters punished Mr Chirac. But the victim who paid for the rejection from the "France of the bottom" is indeed Mr. Raffarin.
posted by nofrills at 16:16| 雑多に | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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