2004年01月26日

2004年米大統領一般教書演説

※今日はちょっと他にやることができてしまったのでこのエントリは中途半端で放置します。ご容赦。

ブッシュ大統領の一般教書演説について,わかりやすく解説している文章を見つけました。かんべえさんの溜池通信より。「『禁・無断転載』なんてケチなことは言いません。ただし、ご利用はown riskにてお願いします」とおっしゃっておられるサイトさんなので,引用します。長いですけど。

<1月21日>(水)
〇で、ブッシュ大統領の一般教書演説については、新幹線の中で読んできました。ホワイトハウスのHPにあった全文を、WORDに貼り付けてみたのですが、ツールの中にある「文字カウント」機能を使ってみると、全部で5284語になります。筆者の手元にあるデータによれば、2000年に行われたクリントンの最後の一般教書は約9200語ですから、やや短めといえるでしょうか。この方法で計算すると、(Applause.) も一語にカウントしますから、以下の数字は正確なものではありません。念のため。
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〇全体を適当に分類してみると、以下のような構成になっているようです。
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(0)冒頭あいさつ 73語(1.4%)
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(1)安全保障
  ?テロとの戦い 569語(10.8%) 「アメリカはテロに対して攻勢に出ている」
  ?イラク戦争 1664語(31.5%) 「フセインの支配は終わり、イラクの人々は自由になった」
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(2)国内経済
  ?減税 256語(4.8%) 「国民の方が政府よりもお金の使い方を良く知っている」
  ?教育 407語(7.7%) 「落ちこぼれの子供を作らない」
  ?経済 483語(9.1%) 「次の5年間で財政赤字を半分に」
  ?医療 521語(9.9%) 「政府所管の健康保険制度は間違った処方箋だ」
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(3)社会的価値
  ?子供 496語(9.4%) 「青少年の麻薬対策、禁欲指導」
  ?結婚 150語(2.8%) 「結婚の神聖さを守る」(同性愛同士の結婚を認めない)
  ?宗教 373語(7.1%) 「宗教団体の慈善行為に対して前向き姿勢」
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(4)結語 292語(5.5%) 「10歳の少女からの手紙」(いわゆる、泣かせどころ)
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〇こうして見ると、突出して長いのが、全体の3割を越えるイラク関連の部分です。いわゆる「説明責任」を果たそうという意欲が見られます。特に、イラク戦争に疑念を持つ人々からの代表的な質問を4つ取り上げ、そのそれぞれに反論を行っている。「テロは戦争じゃなくて、犯罪ではないのか」「イラクの解放という考えは間違っているのじゃないか」「もっと他国と協力すべきじゃないか」「中東の民主化なんて本当にできるのか」の4点。
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〇このうち、「他国との協力」という点に対して、友好国の名前を挙げている部分では、以下のような順序で列挙しています。
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Some critics have said our duties in Iraq must be internationalized. This particular criticism is hard to explain to our partners in Britain, Australia, Japan, South Korea, the Philippines, Thailand, Italy, Spain, Poland, Denmark, Hungary, Bulgaria, Ukraine, Romania, the Netherlands -- (applause) -- Norway, El Salvador, and the 17 other countries that have committed troops to Iraq. (Applause.)
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〇ほれほれ、日本は3番目になってますぞ。かねてからの、「英、豪、日はアメリカ幕藩体制下の親藩=御三家」という仮説が、はからずも立証されているようでもあります。日本はイラクじゃたいしたことしてないんだけどなあ・・・。ここでは独仏はもちろんのこと、ロシアと中国の名前が上がっていないことに注意しておくべきでしょう。
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〇また、「中東の民主化」については、I believe that God has planted in every human heart the desire to live in freedom.などと、神様を持ち出してみたり、As long as the Middle East remains a place of tyranny and despair and anger, it will continue to produce men and movements that threaten the safety of America and our friends.と、いかにもネオコン的なことを言っています。そしてこのパートの締めくくりはこう来る。典型的な「アメリカ例外主義」の思想です。
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America is a nation with a mission, and that mission comes from our most basic beliefs. We have no desire to dominate, no ambitions of empire. Our aim is a democratic peace -- a peace founded upon the dignity and rights of every man and woman. America acts in this cause with friends and allies at our side, yet we understand our special calling: This great republic will lead the cause of freedom. (Applause.)
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〇「帝国の野心はない」と言っておきながら、「われらは世界に自由を導く特別な天命を持つ」とおっしゃる。「そーゆーのを帝国と言うのっ!」と突っ込みを入れてあげましょう。・・・・・全然、聞いてくれませんね。ハイ、ほっといて次行きましょう。
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〇北朝鮮に対しては何と言ったでしょうか。
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Different threats require different strategies. Along with nations in the region, we're insisting that North Korea eliminate its nuclear program. America and the international community are demanding that Iran meet its commitments and not develop nuclear weapons. America is committed to keeping the world's most dangerous weapons out of the hands of the most dangerous regimes. (Applause.)
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〇だ、そうです。2002年の一般教書演説で「悪の枢軸」と名指しされたイラク以外の他の2国は、「イラクとは違う脅威だから、違う戦略で臨んでいる」(戦争ではなくて外交で済ませる)とのこと。うーん、ちょっと複雑だぞー。
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〇その他の「国内経済」と「社会的価値」の部分については、子供たちや宗教団体についての言及の多さが、いかにもブッシュ節です。この辺は、昔から読み慣れている人にはピンと来るところですが、そもそも日本の新聞などではスカッと省略されるところでしょう。その反面、経済問題に関する部分はいかにも言葉足らずです。
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〇結婚の章については、少々説明が必要でしょう。先般、マサチューセッツ州の裁判所が同性愛者同士の結婚を認めたことで、全米の草の根保守派は、「それじゃあ、同性愛者の結婚を認めないように憲法修正だあ」と怒っている。ブッシュが何と応じるかが注目されていたのだが、以下の応え方はなんとも含蓄に富んでおります。
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Activist judges, however, have begun redefining marriage by court order, without regard for the will of the people and their elected representatives. On an issue of such great consequence, the people's voice must be heard. If judges insist on forcing their arbitrary will upon the people, the only alternative left to the people would be the constitutional process. Our nation must defend the sanctity of marriage.
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〇結婚の神聖さ(結婚は男女間でなければならない)は守らねばならぬ。Activistの判事たちはケシカラン!と言ってるわけですが、あくまでも条件付きで、憲法修正プロセスも若かず、と言っている。ここが微妙なところで、含みを残している。おそらく夏頃になったら、この手の社会問題については寛容な態度を示すんでしょう。その上で、同性愛者の権利には寛容なシュワちゃんと一緒に、カリフォルニア州を行脚するんじゃないでしょうか。選挙に勝つためとあれば、何でもやりますって。
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〇最後の締めくくりは、子供が大統領に宛てた手紙という、いかにも「泣かせ」のエピソードを使っている。かんべえはこの話は、いかにも「ヤラセ」じゃないかという気がするが、これはまぁ、一般教書演説としては「吉例」みたいなものであって、その辺はいいっこなしでしょう。賭けてもいいが、こういう部分は日本の新聞は載せない。だからあんまり知られないのだけれど、アメリカの大統領というのは、こんな味わいのあることを口にするのである。ご面倒でも、ちょっと読んでやってくださいませ。
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Last month a girl in Lincoln, Rhode Island, sent me a letter. It began, "Dear George W. Bush. If there's anything you know, I, Ashley Pearson, age 10, can do to help anyone, please send me a letter and tell me what I can do to save our country." She added this P.S.: "If you can send a letter to the troops, please put, 'Ashley Pearson believes in you.'" (Applause.)
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Tonight, Ashley, your message to our troops has just been conveyed. And, yes, you have some duties yourself. Study hard in school, listen to your mom or dad, help someone in need, and when you and your friends see a man or woman in uniform, say, "thank you." (Applause.) And, Ashley, while you do your part, all of us here in this great chamber will do our best to keep you and the rest of America safe and free. (Applause.)
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My fellow citizens, we now move forward, with confidence and faith. Our nation is strong and steadfast. The cause we serve is right, because it is the cause of all mankind. The momentum of freedom in our world is unmistakable -- and it is not carried forward by our power alone. We can trust in that greater power who guides the unfolding of the years. And in all that is to come, we can know that His purposes are just and true.
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May God continue to bless America. (Applause.)


to our partners in Britain, Australia, Japan, South Korea, the Philippines, Thailand, Italy, Spain, Poland, Denmark, Hungary, Bulgaria, Ukraine, Romania, the Netherlands という並びで3番目に来ているのが「国際社会において名誉ある地位」……ってことじゃないよねー,まさか。(笑)
posted by nofrills at 21:25| i_dont_think_i_am_a_pacifist/words_at_war | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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