2006年01月02日

訴訟地獄、英国編。

12月に手元に来た本が何だかたくさんあって、ぼちぼちと読んでいるんですが、北アイルランドでの治安当局とロイヤリストの組織との癒着をがんがん解明しちゃうぞっていう、ベルファストのクイーンズ大学の法学の先生が書いた"Killing Finucane"っていう本がすごくてですね……いや、書かれていることもなんですが、2005年に出た本なのに、全体として事態が今もリアルタイムで動いているところがあるから(スパイ事件など)、はまる。

これがあんまり重いので、まあいろいろと重いニュースはUKから出ているんですが、新年1つめということもありますし、軽め系ニュースで。

世間話のレベルで、「アメリカは訴訟大国だから、ひざの上にうっかりこぼしたコーヒーが熱かったために火傷をしたといって訴える」みたいな話がされることがわりとよくあると思います。

それを連想せざるを得ない話。

Dubious insurance claims 'rising'
Last Updated: Monday, 2 January 2006, 09:44 GMT
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/4574530.stm記事の写真は「イメージ写真」で、写真の使い方としてはあんまりよくないと思うんだけど、それはさておき。

記事の概要は:

ある男性が、バス・ステーションでトイレに入ろうとしたらクローズされていた。男性はそのためにズボンを汚してしまった。そして男性は新しいズボンの費用を、行政当局に請求する訴訟を起こそうとした。

ごみ収集の仕事をしている人が、回収していたごみ袋からアナグマの死体が落ちてきたことで「驚愕した」として、行政当局に対して訴訟を起こした。

万引きをした人が、現場から逃走しようとして階段から転げ落ち、訴訟を起こしたというケースもある。ラウンドアバウトが見えなかったとして訴訟を起こす人もいた。「ブリテン全域のすべてのホームレスに代わって」地方自治体とカンタベリー大司教を相手取って訴訟を起こそうとした人もいる。

Zurich Municipalの記録によれば、public liability claimsのこんな事例が数千という単位で発生している。しかもそれが増加傾向にあるという。

……というところなのですが、まあ記事の主旨からして、極端な事例を並べてあるだけには違いないんですが、何というか、その、「トイレが使えなかったからおしっこ漏らしちゃってズボンが汚れた。ズボン代弁償しろ」なんて、テレビ番組の「行列のできる法律相談所」で北村弁護士にばっさりNOと言われそうな(←イメージ)。。。いや、少なくとも、「コーヒーが熱かったので火傷したから訴える」と同じようなものではと思うんですが。

と、記事を読んでみて思い出したのですが、いつぞや、どなたかから、私が管理してるサイトのフォーラムか何かにて(正確なところは失念しちゃってます。すみません)、「英国でも賠償請求の個人訴訟が非常に増えていて、訴えれば弁償されるからといって、何でもかんでも訴えておこうという傾向が強まっている。アメリカのコーヒーの訴訟を笑えない」というような話をうかがったことがあります。

と思ってちょちょっと検索してみたら、こんなのがヒットしました。

市場調査報告書
イギリスにおける一般損害保険の賠償請求処理:2003年から2004年
http://www.infoshop-japan.com/study/
dc17024_uk_general_insurance_toc.html


ざーっと下のほうに行くと、
Figure 35: Public liability claims increase by 8.7 per cent in 2002-3

とあります。8.7パーセント増加ってすごくないですか?

上のBBCの記事にある事例は、さっきも書いた通り、極端なものばかりだろうから(そしてそれはアメリカの「コーヒーが熱かった」訴訟でも同じだと思いますが)、すごい割合で増加しているこの賠償請求のすべてが、「トイレが閉まっていたからズボン代を弁償せよ」みたいなものばかりではないでしょう。

というか、そういう極端な事例ではないものを知りたいような気もしなくもないです。
posted by nofrills at 23:51| todays_news_from_uk | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。