2004年08月30日

「ブレア弾劾」運動。

impeachblair.jpg

先日の「夏のホリデーwithベルたんinイタリー」で予想外のハプニングが起きていたことが今になって白日の元にさらされたようですが,英国内でもまた新たにブレア包囲網ができてるみたいです。テフロン・トニーはまたつるんとはじくだろうとの観測ですが。

Blair impeachment campaign starts
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/politics/
3600438.stm


#画像は英保守系言論誌Spactatorの表紙↑この記事,また写真が強烈なので(構図が)ちょっとご注意ください。

記事を読んでも実はよくわからないことがあるのですが,先週木曜日にケンブリッジ大のラングワラ教授らがレポートを出して,それを11名の国会議員(下院議員)が支持し,国会に首相弾劾の動議を提出する,とのこと。

It has reportedly been backed by 11 MPs - nine of them Welsh and Scottish nationalists and two Conservatives, frontbencher Boris Johnson and ex-shadow minister Nigel Evans.


Boris Johnsonは保守党の論客で,アンチ派が作っているBoris Watchというまとめサイトがあるのですが,そこからたどって彼自身が書いたテレグラフのopinionを読むと(私はまだちゃんとは読んでませんが→一応日本語化しました。『ファルージャ』の関連のウェブログに上げてあります),ラングワラ教授(アーサー・ビナードさんピルジャーエドワーズなどを参照)らのレポート"A Case to Answer"は要約されたものがSpectatorに掲載されているそうです。ただしネット上では読めるかどうかわかりません。(Spectatorは無料登録が必要:メールアドレス,氏名,住所,郵便番号,生年月日で登録。日本の住所でもまったく問題なし)。

公式サイトのwww.impeachblair.org/には,LibDemのJenny Tong議員も賛同という記事が出ています。

一方,この「弾劾」,上記BBC記事によると,最も多く用いられたのは「1640年代のCivil Warにおいて」(つまりオリヴァー・クロムウェルの清教徒革命において)。最後に用いられたのは「1806年」……トラファルガーの海戦のころですね。英国の歴史と伝統おそるべし。(笑)

いや,冗談ではなく,最後に使われたのが200年も前,というものが,現在も法的に有効,というのは,その間にラディカルな変革がなかった,ということでもある。ううむ。

#追記:
#「最後に使われたのは1806年 The power, last used in 1806」というのはBBCの誤りかも。「1846年に穀物法で」という記述もみましたし,Boris Johnsonは「パーマストン弾劾」に言及しています。パーマストンは1846年に外相をしてましたが,その後1850年代から60年代に首相をしています。(こいつがまたトンでもない植民地主義者なんですが。)

なお,BBC記事には労働党のKeith Vaz(ブレアライトのひとり)のコメントが出ています。

Mr Vaz said the evidence in the academics report was thin and questions over the Iraq war had been raised numerous times in Parliament, as well as in a string of inquiries.
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"This matter has been put before the nation day after day over the last few years," said Mr Vaz. "All these reports have exonerated the government and it's time to move on."


イラク戦争をめぐる疑問は,「既に何度も国会で取り上げられ,インクワイアリも実施された」,「そのインクワイアリで政府には問題はないと結論された」,だから「今更それをむしかえすのではなく,先へ進むべき」という。

そのインクワイアリ(ハットンおよびバトラー)が納得できるものではない,ってことが問題なわけですが。

だってどう考えても,ブレアの一連の発言は「虚偽」であったわけで,それを「あのときは真実だと信じていた」「情報に不備があった」「避けられなかった」で,はいそうですか,なんて納得しようがない。これでめでたしめでたしにしたい人たちは別として。

手続きすら無視して平然としている日本の政治もひどいけど,手続きだけは形を整えて中身はめちゃくちゃという英国の政治も相当にひどい。

労働党のchairman of the Commons foreign affairs (下院外務委員会委員長)のDonald Andersonは,今回の「弾劾」を"political stunt"と呼んでいますが,これもまた,政党政治のクリシェでしかない。野党のすることはpolitical stuntで,与党のすることはそうではない,とでも言うんでしょうか。ハットン・レポートなんかは完全にpolitical stuntだと私は思いますけど。

最後に,テフロン・トニーのホリデーでの出来事と,ベルたんのつまらないジョークについて。記事の文体がおもしろいですね。
ブレア首相、強烈キック 伊首相が左ひざ負傷
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【ロンドン29日共同】今月中旬、イタリア・サルデーニャ島にあるベルルスコーニ首相の別荘に招かれたブレア英首相がサッカーの親善試合中、誤ってベルルスコーニ首相の左ひざを強くけり、負傷させていたことが分かった。
 29日付の英サンデー・テレグラフ紙などによると、側近やボディーガードを交えた5対5のミニゲームは今月18日に行われた。当初、ベルルスコーニ首相は平静を装っていたが、リビア公式訪問から戻った26日夜になって痛みが激しくなり、病院で治療を受けた。
 首相は待合室の患者にブレア首相に左ひざをけられたことを明かし、中道右派らしく「いつも左には悩まされる」と冗談口をたたいたという。


「いつも左には悩まされる」は,発言の背景がちょっと不明ですが,先日イラクで殺害されたバルドーニさんが左派(政権批判を活発にしていたそうです)だったことを考えると,ちょっとな。いや,ほんと笑えないって。

あと,今更ブレアを「左」と言うのも,おかしなことです。
posted by nofrills at 16:39| todays_news_from_uk/about_Blair | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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