2006年05月07日

内閣改造の意味を深読みする――番外メモ。

特に深読みというわけではなく、今回の内閣改造で、ジャック・ストロー解任以外の件について。

全体的に、「沈没しつつあるタイタニック号の甲板でデッキチェアを並べ替えただけ」という評価すらあるようですが(ニック・コーエンによればそう言ったのはSNPのAlex Salmond→LabourのFrank Dobson)、内閣改造直後にブレアは党内から「いつ辞めるのかはっきりさせなさい」という連判状みたいなのをつきつけられていて、テレグラフなんかは労働党内のcivil warという言葉を使っている状況で、もう記事を読んでも何が何やらさっぱりです。「労働党を救うにはブレアではダメだ」論がついにここまで大きくなった、ということ以外には。(連判状の文面はサンデー・テレグラフが持っている。)

で、そういうことは、野次馬的に見るには、現状、登場人物が多すぎてわけわかんない。

というわけで別の感じの記事。

The last throw of the dice
Sunday May 7, 2006
http://politics.guardian.co.uk/labour/story/0,,1769542,00.html

ブレアのstrategistsたちが「なぜ有権者はブレア首相に対して怒っているのか」を話し合ったそうなんですが、
The conclusion reached by the planning group, which included Matthew Taylor, his senior policy adviser, and political secretary Ruth Turner, however appears to have been a surprise. 'They basically said people were angry with Tony because they love him so much, and are angry because they think he might go,' reports one aide, who goes on to describe the analysis as 'verging on the deranged'.


・・・はぁ?(@_@) 何これ。。。「みんなブレアが大好きだから辞めないでって思って怒ってる」?どこの将軍様ですかこれは。リビアですか(大佐だけど)。北朝鮮ですか。サダム・フセイン政権のイラクですか(将軍じゃないけど)。シリアですか(将軍じゃないけど)。

この記事がガセじゃなくて、ほんとに側近グループがこういうことになっているんなら、・・・なっているんなら・・・言葉が出てこない。orz 笑いたいところだが、笑うに笑えない。

いやー、しかしテレグラフは明らかに楽しんでいるなあ。 Blair has delivered a time-bomb, not a timetableとか(最後のほうにある陰謀のセオリーがすごい。『大奥』とかの世界だよこれは)、Brown: Blair must ensure orderly transitionとか。

ちょっと落ち着くまでこの件は追わないでおこう。大変だから。

次。新閣僚紹介系。

資料はこのへん、およびほかのいくつかの記事(控えておくの忘れた):
http://www.telegraph.co.uk/opinion/main.jhtml?xml=/opinion/2006/05/07/do0701.xml
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/politics/4979674.stm

新たに外相となったマーガレット・ベケットは労働党のベテラン議員で、ジョン・スミス党首のときに副党首をつとめており、スミスが94年に急死した後は党首代行のような立場にあり、その後の党首選に際しブレアと競った人物で、New Labourを作ったひとりみたいね。ブレア政権では貿易産業相、環境相(旧農業相)など、ドメスティック・アフェアーズの要職を歴任。(農産物輸出入やら口蹄疫やら京都議定書やらいろいろあった。)年齢は63で、英国の閣僚としてはかなりの高齢。(というか事実上はhas-beenという認識だったみたい。)

次。前回の総選挙(2005年)まで国防相だったジェフ・フーンが欧州担当大臣に。フーンはイラク戦争でのあれこれ(英軍の装備の貧弱さとか、バスラでの「アブ・グレイブ」のような事件とかいろいろ)で、国防相の地位は保てなかったが(私はこの人が保てばよかったと思っているわけではない、念のため)、基本的にブレアべったりのブレアライトである。

次。最大の人事、内務大臣のジョン・リード。この人も、労働党をブレア派か(ゴードン・)ブラウン派か、それとも旧来の左派かで分ければ、ブレア派。

それと、内閣改造でカタカナ的にややこしいことが発生した。日本語記事(時事通信さん)の引用:
【カイロ6日時事】イラク南部のバスラで6日、駐留英軍のヘリコプターが墜落した。ブラウン英国防相は搭乗していた数人が死亡したと語った。


「ブラウン」といえばゴードン・ブラウン(財務大臣)に決まってる、と思い込んでいると、「ブラウン英国防相」でコケる。誰よこの人、って。

Secretary of State for Defence - Des Browne

うにゃー、最後にeのあるほうの「ブラウン」か。

http://en.wikipedia.org/wiki/Des_Browne

ソリシターからバリスターになった法律家で、軍隊の経験はない。不思議な人選だ。この時期に。

ちなみに、英労働党には「ブラウン」さん(Brown)は他にも何人かいるが、日本語のニュースにも出てくるような重要人物は何といっても「ゴードン・ブラウン」(G8財務相会合とかで出てくる)。デズ(デズモンド)・ブラウンも国防相になったのでニュースに名前がよく出るようになるだろう。
posted by nofrills at 21:29| todays_news_from_uk/reshuffle2006 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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