2004年09月07日

ベスラン学校占拠事件はどう伝えられているか。

私の知る範囲で,ベスランの学校占拠事件の記事を。

まず英ガーディアンが編集しているthe Wrap(有料メールサービス),それから東京で見てたテレビ番組の内容。

#イラクについてはhttp://teanotwar.blogtribe.org/で更新しています。The Wrapは英ガーディアンが編集・配信しているニュースで,ニュースソースはいろんな新聞(タブロイド含む)を網羅。(英国はこういうことができるしやってるってことは素直にうらやましいと思う。)

事件が動いた(ロシア軍が突入した)のが3日金曜日だったため,月曜日の6日になってまとめて報じられた形です。

9月6日のthe Wrapより:太字に注目(日本ではあまり伝えられていないかも?)
BESLAN BURIES ITS DEAD
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With the death toll in Beslan officially standing at 335 - but 180 people still unaccounted for - the first of the victims were buried yesterday.
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"Two young men were shovelling clods of earth onto their 50-year-old father," reports the Telegraph. "Beyond, an area bigger than a football pitch was covered with graves and piles of earth."
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"The scale of the funerals deprived the dead of some of the dignity they were due," says the Independent. "Separated by only a few metres, the services were conducted simultaneously with four or five bodies being lowered into the ground at any given moment... Many of the mourners lashed out at watching journalists. 'Don't film for God's sake. We've been through enough,' said one man."
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The bloody events in Beslan over, the thoughts of local people are turning to revenge. "Russian media reported that some locals had headed into neighbouring Ingushetia - from where some of the militants are thought to have come - and abducted 10 Ingush men," reports the Guardian.
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"I know a lot about that," one man tells the paper, when asked whether there would be more bloodshed. He refused to elaborate.
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A militant Chechen group posted a message on a website yesterday claiming that the atrocity was itself an act of revenge for the "brutal murder of more than 250,000 Chechen peaceful civilians by the invaders [Russia]."
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The Herald Tribune is especially intrigued by the involvement of female terrorists. "Their participation sends a powerful message, blurring the distinction between perpetrator and victim," says the paper. If a woman is involved, it says, observers frequently focus on what drove her to do it rather than the suffering of her victims.
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Several of the papers highlight links between Chechen fighters - including Shamil Basayev, who the Mirror says "masterminded" the attack - and Osama bin Laden. The phrase "Russia's 9/11" turns up in the Mail - "We are embroiled in a world war," writes Melanie Phillips - and the Times. "Objectively, the Chechen separatists have strengthened Mr Bush," says William Rees-Mogg. "They have pushed Russia towards supporting his policy and they have helped him to win re-election."


最後の「今回の事件でブッシュの立場が強まった」というのは,私なんかはヒネクレているので「the Timesだからね〜」と思うのですが,今回のことでプーチン(「対テロ戦争」論者)への批判が高まることはあっても,支持が高まることはないんではないかと思うんですが。

メールマガジンPublicityで紹介されている神浦元彰(軍事アナリスト)さんのコメント:
神浦元彰(軍事アナリスト)の「J−RCOM」
〜激動する世界の最新軍事情報を発信〜
http://www.kamiura.com/new.html
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■タイトル
北オセチア共和国 学校占領事件 
「人質は1270人 TVは故意にウソを報道」 
校長、占領当時を証言 
(東京新聞 9月5日 Webニュース)
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■概要
学校占領事件が起きたベスランの小・中学校で、女性校長のリディヤ・ツァリーエワさん(72歳)が入院先の病院で、東京新聞の中島健二特派員の独占インタビューに答えた記事。
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それによると人質の人数は、事件直後に1270人だと確認していたと語った。しかしTVでは人質が350人と放送し、明らかにウソを報じていると思ったという。
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また初日は穏やかだった武装集団だが、2日目からは突然厳しくなり、人質は水も飲めず、トイレにも行けなくなった。子供たちの精神状態が極限になって騒ぐと、武装勢力は銃を撃ちならして黙らせた。
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3日目に大きな爆発音で戦闘が始まり、体育館のドアの下敷きになり、そこで気を失ったという。間もなく特殊部隊に救出され病院に運ばれた。
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■コメント
この記事は昨日の朝刊に掲載された記事だが、私は夕方にWebサイトで読んだ。そして読み終わったときに、背筋が凍るような恐怖を感じた。
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なぜ武装勢力は1日目には人質がトイレに行くことも、水を飲むことも許していたのに、2日目から豹変してそれを禁じた理由がわかった様な気がしたからだ。
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その理由とは、武装勢力側がロシア当局と交渉を試みても、またメディアと話そうとしても、ロシア側が電話線を切るなどしたからだと思う。
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要するに、交渉を拒否したのは武装勢力ではなく、ロシア側だということに気が付いたからだ。
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報じられたように武装勢力側が水や食糧に睡眠薬が混入されている可能性があると断ったのではなく、ロシア当局が電話線を切断したので、そのような交渉が出来なかった可能性が高くなった。
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そこで武装勢力側は人質を苦しめることでロシア側に圧力を掛けたのではないか。
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トイレに行けないということは、狭い体育館の床は汚物で汚れることになる。子供たちが服を脱いだのは、服が汚物に着いたことと、狭い空間に押し込められて暑くなったからだと考えられる。
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私は武装勢力側が交渉を拒否し、水や食糧の搬入を拒否したのならば、それは最初から人質の殺戮とゲリラの自爆が目的と分析した。
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しかしロシア側が主導的に交渉を拒否して、武装勢力が抱える1270人の人質を極限状態にして、それで武装勢力を苦況に追い込む作戦だったら分析はまったく別のものになる。
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確かモスクワの劇場占領事件の時は、武装勢力側の要求でメディアが劇場内に入り、インタビューなどを行っていた。その間(4日間)に特殊部隊は劇場内の様子を探り、麻痺性のガスなどを準備して突入に備えた。
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しかし今回は学校に通じる電話線をすぐに切断し、武装勢力との交渉はもちろん、メディアとの通信も遮断したのではないか。それで武装勢力は2日目から急に態度が厳しくなったように考えられる。
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もしこの推測が事実となれば、プーチン大統領の強硬な対テロ姿勢は、国民の強い反発を招く可能性がある。強い大統領を演じるために、人質となった子供たちの安全を無視したことになるからだ。
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今の段階で考えれば、2日目に武装勢力側の態度が豹変し、人質に水や食糧も与えられず、トイレにも行けなくなった理由がこれしかない気がする。
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このことは時間が経過すれば、助かった人質や、ロシア当局の内部告発で明らかになることでもある。これだけの人質が死ねば、箝口令(かんこうれい)をひくことは難しい。
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今回の学校占領事件では、ロシア政府側があまりにも多くの情報操作を行ない、偽情報が大量に流されるという象徴的な事件となった。
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あと数日後に、この事件の持つ意味(本質)が劇的に変化する可能性がある。もう一度、ロシア政府側から流された情報と、現場の状況の見直しをする必要がありそうだ。


続いて,6日の昼間のテレビ朝日のワイドスクランブルのメモ。(番組を見られない友人のために私が取っていたメモです。書き漏らしなど多数。)

スタジオはメイン司会が大和田獏,木下さんという女性アナ,コメンテーターがなかにし礼,川村さん(テレ朝の人)などです。
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12:07に「さて」という形で北オセチアに。林克明さん登場。
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まず,導入部で解放された子どもたちのインタビュー映像など。「何が起きたのか」というナレーション。ここでCM。
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……CMあけ。
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学校内部の映像。瓦礫,弾痕,血痕,体育館,焼け焦げた床。
子どもの証言(みんなおしっこを飲んでいたなど)
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体育館内部の様子のCGイラスト。
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子どもの証言。(ほかのニュースでも流れたもの。硬い表情で「女のテロリストが自爆したわ」と言う女の子など)
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「射殺」「自爆」などの文字が画面に。
ナレーション「子どもの目の前で自爆したテロリストもいたという」
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突入時の実際の映像(煙が立ちこめる様子をとらえたロングショット)
→CGで作った突入の様子の解説と子どもの証言(2階から撃ってきた)と,混乱する現場(抱えられて出てくる子どもたち)の映像
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「事件から3日,最悪の結末」というナレーション。
泣く家族の映像
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ナレーション「なぜ子どもを対象に」
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VTRで軍事評論家の神浦さん
・ゲリラ側とロシア当局に信頼関係がなく,犯人が交渉に応じない。だから手のうちようがない
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「首謀者とされるのはチェチェン武装集団」というナレーション
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ゲリラの映像「自由,さもなくば死だ」
(ひげの人ですがバサエフではない)
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チェチェン戦争の映像 死者20万人というテロップ
「多くの民間人が犠牲になったという」ナレーション
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怒る女性たち(かなり高齢)の映像に乗せて「黒い未亡人」というテロップ。「彼女たちの中にはテロリストになるものも」というナレーション。
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・・・CM・・・
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スタジオ。林さん登場。
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神浦さんの分析のまとめ(アナウンサーが読む)
学校を標的にした理由
・弱いものはコントロールしやすい
・パニックになりやすいのでそのすきに逃げやすい
・突入はロシアは偶発的というが計画的だろう(昼間に作戦をしている)
・「アラブ人10人」という情報が最初に出たのはロシア側の情報操作
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ここでVTRでチェチェン概況。91年からの映像。
「民族運動の阻止。石油利権」(テロップ)でロシアが介入という筋。
ロシア介入→散発的ゲリラ作戦→掃討作戦
「ロシアが虐殺,拷問」というナレーション&テロップ
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嘆く女性たちの映像
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サマシキ村の映像「300人が虐殺された」というテロップ
泣き叫ぶ女性たち,怒る女性たち
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パップアジン収容所(?メモ不正確かも)の映像
「生還したものはいない」というような内容のナレーション
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女性たちの映像に「黒の未亡人」というテロップ
ナレーション「戦争の終結とロシア群の撤退を求めている」
「夫を失った絶望からか,テロリストになる女性もいるといわれている」
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モスクワ劇場,96年の病院の映像
ナレーション「テロという形の抵抗」
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ナレ「一部にはアルカイダの支援を受けているといわれるチェチェン武装勢力。
出口はあるのだろうか」
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VTR終わり。スタジオへ。
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司会者「子どもを標的にしたことについて」
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林さん:
今回ちょっと変だなと感じた。これまでのチェチェン武装勢力の考え方とは違う。これまではメッセージを発していた。今回はそれがない。独立派かどうかちょっと疑問が起きた。BBC報道だと思うが,中にチェチェン人はいなかったと言っていた。関係のないグループが関与している可能性が。
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ものすごい悲惨な映像が流れている。もしこれが400回,岩手県くらいの面積で400回起きていると考えたらどのくらいひどいか想像ができる。こういう事態が突発的におきているのではなく常態化している。
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※メモできませんでしたが「対テロ」ということばも出てきた
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なかにし礼「チェチェンの人々の悲鳴だ」
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大和田獏「情報操作もあったと言われてますね」
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川村さん「人数が合わないなど情報操作。交渉が前提とされていたとは思えない。強行突入ありきだった」という内容のコメント
「ますますこれから泥沼化。91年に独立が認められていればこのようなことにはならなかったのでは。」
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大和田獏「林さん,子どもが犠牲になったことで世界の理解は得られなくなりますよね」
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林さん「おっしゃる通り。それと,プーチンの強硬策が失敗していることは明らか。そのことにも目をむけるべき。」
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「ありがとうございました」
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トピックは次(金正日夫人)へ・・・時間は12:28
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posted by nofrills at 01:31| i_dont_think_i_am_a_pacifist/words_at_war | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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