2003年10月08日

「紳士」の国の「紳士」のスポーツだぁ?

日本でも報じられていますが,ある女性(ティーンエイジャー)がロンドンの高級ホテルで「サッカーのプレミアシップの選手に集団レイプされた」と訴えた件(一応,記事。10月6日)で,英国は大騒ぎになっているようです。んでね,昨日の夕方のテレビのニュースでそれを伝えてたんだけどさぁ,ああくそったれ,例によって話の枕が「紳士の国英国」,いや,それならまだしも,「紳士のスポーツであるサッカー」ときたもんだ。

あのさあ。……あー,茶でも淹れてこよ。……。あのさあ,「サッカー」=「紳士のスポーツ」であるとすれば,「サッカーファン」=「紳士」で,「暴徒化する一部のサッカーファン(フーリガン)」=「暴徒化する一部の紳士」ですか……暴徒化する紳士ねぇ。個人的にはお目にかかってみたいが(脳内で,ワイルドの『まじめが肝心』とかが血みどろの殴り合いに変換されています)。

あのさあ。農村の村人対抗ボール奪い合い競争だったサッカー(現地語では主にfootball)が,スポーツとして整備されたルールを持つようになったのは,それはまあ「紳士」の功績かもしれません。しかし。しかし。しかし!

あのなあ,英国で「サッカー」っつったら「(紳士ではなく)労働者階級のスポーツ」ってことは,もはや常識以前なわけ。「紳士」な方々は,サッカーなんぞには熱中せず,おラグビーだのおテニスだのおクリケットだのおポロだのをなさる。サッカーがビジネスとして成功するまでは,「私はサッカーファンです」なんてことは,女性とか,あるいはちょっと教養のある人々(大卒)とかは言わなかったわけね。(実際興味なかったんだろうけれど。)リーグが再編されて,ビジネスマンがイメージアップ戦略の限りを尽くして商業化に成功して,いつのまにか「ファッショナブル」になって,小学生の女の子がレプリカユニを着たりするようになったけれど,そうなる前は,「サッカーファン」=「頭悪い,金ない,職ない,暴れる」だったわけです。

「英国」=「紳士の国」っていうアホでバカでたわけでとろくてユルい安易な枕詞が,奇妙奇天烈トンデモ英国像を拡大再生産する。もういいかげんにしろっての。何十年同じことをやってるんだろう。

昨日の夕方のニュースがさらに噴飯ものだったのは,「紳士のスポーツであるサッカー」で集団レイプという事態に,「選手たちの,紳士にあるまじき行為」に非難が,というような解説。

プレミアの不祥事はこれが始めてじゃない。街で酔っ払って一般人をぼこぼこにした選手もいたし,レイプじゃないらしいけど怪しいパーティーに参加していたと言われてる選手もいた。

サッカー選手が「紳士」かどうか,そこらへんで英国人つかまえて訊いてみなさい。

多分,パブリックイメージとしての日本で言う野球選手と変わらない。「子供に夢を与える」模範的スポーツマンもいる一方で,常に週刊誌にネタを提供し続ける選手もいる。成功すればすごい報酬を得て,奥さんは芸能人やモデル(日本では「女子アナ」というジャンルもある)。競技の能力が第一だけど,それに加えてルックスが良ければよりいっそうの人気を呼んで,CMにも出る。人柄が良ければなお人気になる。

結局さ,「英国」っていうだけで「紳士」というレッテルを貼ってありがたがってるの。ばっかみたーい。

ブッシュが日本のマスコミでもカウボーイだの失読症だの何だのと揶揄され批判されている一方で,ブレアは騒がれないのは,ひょっとして「英国紳士」だから?とかんぐりたくもなる。

くどいですが,サッカーを紳士だ何だというのは,柔道や空手を忍者だの芸者だのと言うのと同じ。滑稽です。

んで,その集団レイプ事件(まだ「疑惑」の段階なのかな?)の件でプレスが大騒ぎの一方で,別な性的暴行事件でプレミアの選手が逮捕されたそうです。

Leeds United player arrested
http://news.bbc.co.uk/1/hi/england/west_yorkshire/3172720.stm

ついでに,リオ・ファーディナンドがEURO2004予選(対トルコ)に出られません。薬物検査(ドーピング検査)を受けなかったことが原因で,代表に入れないからだそうです。(本人は「他意はない。忘れてた」というようなことを言ってるみたいです。)
posted by nofrills at 12:24| todays_news_from_uk | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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