2003年09月29日

政界ドラマ。

チャンネル4(民放)のドラマ,The Dealの評。
けなし系=BBC:
http://news.bbc.co.uk/1/hi/entertainment/reviews/3142846.stm
誉める系=Guardian:
http://media.guardian.co.uk/broadcast/comment/0,7493,1049142,00.html

日曜日に放送されたこのドラマ(単発),The Dealは,脚本ピーター・モーガンと監督スティーヴン・フリアーズの作品。主人公2人は労働党の政治家2名……トニー・ブレアとゴードン・ブラウン,現在の首相と財務相。

つまり,現役政治家の実名ドラマである。タイトルのThe Dealというのは,ブレアが労働党党首になったときにブレアとブラウンの間で交わされたと言われる密約のこと。

党首(ジョン・スミス←作為を感じるくらいに平凡な名前だが本名)の急死をうけ,労働党を率いることになったのは,若々しくフレンドリーでフレッシュでフランクなトニー・ブレア。40代でハンサムで,若い頃はロック・ミュージシャンで,わけのわからん政治家言葉を使わず庶民っぽさもある上品な英語ではきはきと喋り,法廷弁護士の妻の方が国会議員の私より稼ぎがよいと笑ったブレアは,党首となったばかりのころは「バンビ(かわいこちゃん,あるいはひよっこ)」呼ばわりされたが,やがてジョン・メイジャー首相(保守党)の「灰色」「退屈」を吹き飛ばした。

が,スミス党首の急逝の際,党首就任が有力視されていたのは,むしろゴードン・ブラウンだったらしい。しかし,ばりばり仕事をするタイプのブラウンは,ルックスとキャッチフレーズと歯切れの良さでブレアより分が悪かった。

94年,イズリントンのレストランでブレアはブラウンと会食し,まずはブレアが党首をつとめ,その次の選挙で労働党が勝利したらブラウンが党首に,という密約を交わした……とされている。(実際にその密約があったとしても,実現されていない。)

日本でも先日「田中角栄ドラマ,主演にビートたけし」という記事を見たような気がするけれど,今この時期にブレアのドラマというのは,ロッキード事件の最中に,田中角栄が首相になるまでをドラマ化,のようなことだ。

さらにおもしろいことに,Guardianに評を書いているのは,保守党のマイケル・ポーティロと,ブレアのスピンドクターだったティム・アラン。保守党議員が,チャンネル4でオンエアの労働党政治家を扱ったストーリーをガーディアンで評し,そして,まさにその当時に労働党のブレーンだった人物が,実名ドラマを評する。保守党議員には保守党議員としての見方と読者(有権者)へのアピールの仕方があるし(面白く読んでるといつのまにか保守党の話になっている),元ブレーンはさらっと批評文を書きつつ,何が本当にあったことかを教えてくれている。(しかし,それとても「情報操作」であるかもしれない。)

ポーティロ議員はそのセクシュアリティが取り沙汰されることも多い。そこまで個人的なことなどどうでもよいが,アーヴィン・ウェルシュの小説でフーリガンのヤクの売人が毒づく「トーリーのホモ野郎」(←小説の中でこのような口汚い言い方がされていた)はこの人のことかもしれない。ヘイグが退陣し,ダンカン=スミスが党首に決まる前は,ポーティロの名前も保守党党首候補として上がっていたように記憶している。(勘違いかも。)
posted by nofrills at 07:08| todays_news_from_uk | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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