2004年03月05日

ハットン卿は「心外である」と思っているらしい。

もー,英国はごちゃごちゃ。嘘に嘘を重ねてどんどん膨らんで,あっちからこっちからつっつかれてる状態っていうか。私もそろそろわけわかんなくなってきました。何がどうなったのかを把握してくだけで大変。このごちゃごちゃぶりも計算してたのかしらん?

昨年2月に「学生の論文のパクリ」が明らかになったときに「ごめんなさい。あれもこれも嘘です」で引っ込んでたらこんなことにはならなかっただろうのに。

Top BBC resignations astonished Hutton
http://www.guardian.co.uk/hutton/story/
0,13822,1161638,00.html
#最近またthe Guardianをよく読むようになってます。翼賛モードが解けてきた様子。この新聞も躍らされたのだから,まぁ,社内の力関係とかが変わってきてるんでしょう。ひところは完全にニュー・レイバーの御用新聞になってたのが,多少は変わってきました。

ハットン卿について,過去記事のあれやこれやはこちらからどうぞ

簡単に整理しておくと,ハットン卿というのはUKのlaw lord(UKの最高司法機関の裁判官)で,ドクター・デイヴィッド・ケリーの死の責任を調査するハットン・インクワイアリを率いた人物です。そのインクワイアリ(調査委員会)のまとめがハットン報告書で,そこで「ドクター・ケリーの死の責任はBBCにあり,国防省がドクター・ケリーを守りきれなかったことも落ち度だが,政府には落ち度なし」との判断が示されまして(今年1月末),すぐさまBBCのトップ2名と記者がBBCを去りました。

で,大騒ぎになっていたのが,ドクター・ケリーがBBCに情報を提供したのが,例の「イラクのWMDは45分で使える」とした情報についてだったため。「45分」がどっから出てきた話なのかに深く関わることで,その「45分」が首相官邸からの指示だったのではという点がある程度までは追及されたのですが,結局うやむやにされてしまったようです。(「ようです」というのは,私は報告書そのものをまだ読んでいないので……新聞などがまとめたことのみを根拠にしています。)

で,the GuardianのTop BBC resignations astonished Huttonという記事は,BBCのトップが辞めたのはハットン卿も予想外だったということで,the Guardianの独自取材らしいです(the Guardian has learnedと書いてある)。

ハットン報告書は"whitewash"(リーダーズによれば「世間を鎮静させるための公式報告」)と非難されました。1月末のお天気がたまたま雪だったこともあって,the Independentは1面(フロントページ)をほぼ真っ白にするという皮肉で反応しました。

そして3月,ハットン卿はその非難は心外だし,BBCのトップが辞めたことにもびっくりしていると,the Guardianは書いてるわけです。

5月には下院で審問があるらしいです。そこでまた何か出るんでしょうか。いつまでもズルズルと引っ張って,本当に姑息です。その下院での審問というのも,何がどうなのかをハットン卿に直接訊くのではなく,ハットン卿はそれを知ってどう思ったかを訊く……って「国語」のテストか?!

BBCの「迷走」についてはこんなことが書かれています。

Lord Hutton is said to be particularly concerned that the BBC overreacted to his findings, leading to the resignations of Mr Davies and Mr Dyke, both former Labour donors who stood up to No 10.
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BBC insiders believe Mr Davies quit to protect Mr Dyke, but mistimed his departure so that the remaining governors were free to accept Mr Dyke's offer to go, contrary to expectations.


つまり,デイヴィス氏とダイク氏は労働党にたくさん献金していたわけですが,両方とも辞任になっちゃったのはハプニングであると。

ばかばかしい。

ハットン・インクワイアリはもう終わったことなので,ピルジャーが指摘している極めて重要な事実(ドクター・ケリーとロッキンガム・セルのことなど)はもうつっこまれないだろう。

BBCがどうしたとかグレッグ・ダイクがどうする(個人的にはめちゃめちゃうさんくさいと思うのだけど……ハーパーコリンズから本出すらしいし)とかそんなことはどうでもいい。なぜこんなことが起きたりこんなことが「自由と解放」の過程で「解放者」によって「解放される人々」に為されるのが放置されているのかということを,はっきりくっきり誰にでもわかるように説明することにはまったくならないのだから。

なお,BBCの独立性は確保されているそうです。分割案というのがちょっと前に日本でも報じられましたが,在英の知己によると,BBC分割案というのは昔からあるもので(特に保守党に),やはり新しいものでも何でもないそうです。ちょっときっかけがあればすぐに取り沙汰される類の,いつもそこにあるアイディアって感じらしいです。ただちょっとおそろしいのは,この状況だとそれも実現されうるかもしれないと思わせられることですね。
posted by nofrills at 13:03| todays_news_from_uk | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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