2004年08月25日

英国政治ネタ〜UKIPについて。

かなり久しぶりにBBCの「政治」のところを見たら,ううう,6月のMEP選挙のときにUKIPへの寄付金が5倍になってたって,マジですか。しかもLibDemより寄付金の金額が大きかったなんて。……と思ったら,UKIPへの寄付金の大半を,たったひとりの実業家が寄付してた。ってこれはこれで大変なことだと思いますが。

LibDemの選対本部長(か?campaigns director)は,"No one person should be able to exercise disproportionate influence as a result of extraordinarily large donations,"(めちゃ多額の寄付をした結果,特定の個人がとんでもない影響力を行使できるようになってはならない)と述べていますが,ほんとその通りでしょう。

日本でも最近1億円を渡されて「覚えてない」と言い訳するのに「私はあの人とは仲が悪いから,あの人からなら100万円もらったって覚えてますよ,それが覚えがないんだから,1億円なんてもらってません」とか言ってる国会議員がいましたが。

関係ないですね。ともあれ,LibDemの人の言う↓は,正論だと思います。

"In a democracy, millions of pounds should not be more important than millions of votes."
「デモクラシーにおいては,何百万ポンドの金が,何百万の票より重要になるということがあってはならない」(うーん,私の日本語訳では雰囲気が出てないかも)


UKIPというのは,The UK Independence Party のことで,日本語では「英国独立党」と紹介されてると思います。

彼らの言う「独立」とは,「EUには関わりなく,独自の政策・独自の通貨を維持しよう」ということのようです。

で,これだけで話が済まない。UKIPの考え方は,端的にまとめれば,「移民排斥」がコアにあります。移民が来るから俺たちの仕事がなくなるんだよ,ゴルァ,という,非常にわかりやすい(でも数字的に正確ではないと思われる)主張です。

ちょっと前までは,UKの右翼というと,極右のBNP(英国国民党:British National Party)が最大政党で,あとはもっと極右のNF(ナショナル・フロント)という政治団体もあったりして,特にBNPはしばしばニュースになっていましたが,UKIPがニュースなどで話題になったことは,ほとんどないと思います。というか私も最近(2001年かなあ)まで知らなかったのですが。。。知らなかっただけか。

そのBNPへの寄付金は,26,014ポンドから15,870 ポンドに下がっている……うわ,すげー下がってる。

今年6月の地方選&MEP選挙や,国会の補欠選挙では,「労働党と保守党の二大政党」つまり「レイバーかトーリーか」の図式が崩壊しつつあることが現れていました。

労働党左派(ブレアに帯同しない人々)の支持者たちは,労働党を見限ってLibDem(自由民主党……って紛らわしいのでLibDemと書いてます)支持に回った人が多かったのかな……あるいは労働党を追放された議員が主導している左派組織のRespect(←何かの頭文字で「レスペクト」という名前を作り出した)支持という選択も。

保守党支持者はどうなんだろう。今度調べてみます。

とにかく,「レイバーかトーリーか」の時代は終わった。で,そこにこれまで第3党だったLibDemが浮上した他に,泡沫政党だったUKIPも出てきた。

UKIPから立ってMEPに当選したキルロイ・シルクという人はテレビ司会者。私はこの人のことは,かなりイっちゃってる人種差別発言で知りました。どのくらいイっちゃってるかというと,エリザベス女王の夫であるエジンバラ公と同じくらい,あるいは米国のアン・クルターという共和党の美人(ほんとに美人なんです)議員と同じくらいだと思います。これは英国の「多民族多文化国家」という自己定義を基準に考えると,感覚的には,石原知事を少し上回る感じではないかと推測しています。

あと,これらの動きがどういう文脈で説明できるかは,まだこれからあちこちに評論が出るのを待たなければならないと思いますが,少し前に,労働党のブレア政権下で貧富の差が拡大しているという調査結果を見ました(またもや,なのですが)。英国にもいわゆる「プア・ホワイト」の問題はあります。これまでに顕在化した例としては,いくつかのレイシスト・アタックがあるし,あと80年代のフーリガンもそういう社会的文脈で読み解いたものがあったと思います。私が把握している限り,これらの「プア・ホワイト」はBNPなどとのつながりで説明されていました。

UKIPの場合は,どうやら「プア・ホワイト」ではなさそうなのですが,また追い追い調べてみます。ちょっと気になってるのは,2002年だっけ,03年だっけ,「ロンドンで史上最大規模」を記録した「カントリーサイド・マーチ」という,「農業を守れ」「狩猟を禁止するな」みたいなデモ。あれも大掛かりな動員がされたらしいというのは,当時どっかで読んだ記憶があるのですが(ガーディアンかBBCでしょう)。

英国では,来年,2005年に総選挙があります。

なお,冒頭にあげた記事は,見出しはUKIP donations soar for electionですが,内容は各政党の寄付金一覧って感じで,レイバーもトーリーもLibDemもBNPもGreen PartyもRespectもChristian Peoples' Allianceも網羅されてます。
posted by nofrills at 01:02| todays_news_from_uk | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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