"Nobody voted for multiculturalism. It is something that has been imposed byすごいね、これは……the liberal fascistsって、あーた。あーそうそう、キルロイ=シルクはこういう人。
the liberal fascists in London. It's not what people want."
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-- Robert Kilroy-Silk, ex-UKIP, now Veritas head; source
この用語は、例えば1920年代末の共産主義を説明した文にも出てくるのですが(出典)
By the early 1930s, the Comintern's frenzied attacks, not just on "social fascists", but on "anarcho-fascists", "liberal fascists", "clerical fascists", "left social fascists", and of course "Trotsky-fascists", suggested that almost every other political tendency beyond its own ranks supported or was conniving at fascism. But to arrive at this lunacy had taken a series of shifts, the study of which is highly instructive and of more than just historical significance.
「スターリニスト化したコミンテルンがとりあえず『ファシスト』呼ばわりしていた」というこのかなりナンセンスに近い用例(例えばanarcho-fascistsなんてのは本当にまったく意味がわからない。無政府主義がどうやったらファシストになれるのか?)と、キルロイ=シルクが使っている用例とは、明らかに違う。
the liberal fascistsをググってみた結果、180件もある。theを取ってしまうと、730件以上。複数形のsを取ったらもっと増えるだろう。
検索してヒットしたものをざっと見ると、「草の根保守」から見た「(メディア界の)エリート」へのレッテルというような意味で使われている事例が少なくない。ほかには、宗教的なスタンスについて言うもの(「自由の名のもとで私たちの信仰を妨げる者」というような)などがある。いずれにしても「私たち」から見た「奴ら」へのレッテルのひとつだ。
具体的には……アメリカの話はよくわかんないので、英国の話で、検索結果をざっと見て、「リベラル・ファシスト」として出てくる名前が……ジェレミ・パックスマンかよ。リベラルだろうけどファシストじゃないよ、BBCの看板キャスターという身分を持ってテレビでしゃべってることがファシスト的だという見方をしない限りは。
あとは、the New Labour liberal fascistsという用例もあったけれど、これは文脈から、「リベラルのふりをしたファシスト」の意味で、キルロイ=シルクの言ってることとは違う。
キルロイ=シルクの言うliberal fascistsは、こういうことだ。(←リンク先は語句が見つけやすいようにGoogleキャッシュ。念のために書いておきますが、ナショナルヴァンガードです。)
いや、言語としては非常に興味深いものだと思う。でも、何だかますます「言語」がわからなくなってきそうな気がしてきたので、ここらへんで打ち止め。
■トラバ:
Negative Stories,4月12日
チラッと見始めたニュース番組で、アメリカでブロッガーがリベラル派のジャーナリストを叩き、辞職に追い込むというのをやっていた。
USはブロガーっていうとRed, white and blue!!!!!!!とか書いてる、という一般的イメージはあるようです。もちろんそうではないブログもたくさんありますが、やはり目立つのは「リベラル派」を敵視するウェブログで、しかもほかの文化圏の人についても自分たちの基準で「リベラルかどうか」を決めることに何ら躊躇がないという感じで、(以下略