2004年06月28日

「主権移譲」の儀式が完了。

バスラで英軍の車列が襲撃されて英兵死亡という記事があったりするのですが,主権移譲の儀式が2日前倒しで行われ,ブレマーは既にイラクを去ったそうです。いよいよネグロポンテ大使の「米国大使館@大統領宮殿」物語の開幕だ。
http://news.bbc.co.uk/1/hi/world/middle_east/
3845517.stm
BBC記事より:
But the BBC's Dan Damon in Baghdad says the handover will mean little to ordinary Iraqis.
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Our correspondent says it is not clear how real the transfer of power will seem to the many Iraqis whose backing is needed to defeat insurgents.


茶番っていうか,「主権移譲」が「セレモニー」に過ぎないことはイラクの人にはわかってると思う。長いこと「政治」に翻弄され続けてきた人たちだ。思想や主義のためではなく,職を得るためにバアス党に入る,なんてことがそこらじゅうにごろごろしてた環境にいた人たちだ。だいたいアラウィ首相の経歴(元CIA)を見ただけで鼻白んでも不思議じゃない。

あとは余談。

先日Jarrarさんとこの次男,Khalidさんのウェブログに,お母さん(Faizaさん)への根拠のない中傷に応えてFaizaさんのこれまでの経歴――Faizaさんはシーア派なのだけど,貧しい家庭の出身で,でもサダム・フセイン政権下で学費が無料だったので大学に進み,工学を学んで事業家として成功した。左派知識人で反バアス党の立場を貫き,イスラームの教えにも忠実に,貧しい人のための喜捨をこれまで重ねてきた――ということが書かれていて,そういうことを一切知りもしないくせにやれ「サヨク」だのやれ「バアス党シンパ」だの言われたらたまらん,という心情が伝わってきた。そりゃたまらんだろう。

私は何年も前に,ボランティアで「米国から寄せられる日本についての質問メール」に何度か回答したことがある。「キティちゃんグッズがほしい」とか「おすすめの小説は」とかの他愛もないものもあったんだけど,中に「学校のレポートでWWIIについて調べてます」というマジメなものがあったので,こっちもマジメに回答した。だけどどっか噛み合わない。おっかしぃなあと思ってたら,ある日きたメールに「だって日本は共産主義の独裁国家で自由主義の民主国家である我が国と敵対していたんですよね」というようなことが書かれていた。ヒトラーとスターリンを同一視していて,ヒトラーまで共産主義者ってことになってて,その流れで日本も共産主義ってことになってたらしい。んで,中国は19世紀から共産主義ってことになってたらしい。これはまずいだろうとすごい時間をかけて返事を書いたんだけど,その後ぷっつりメールが来なくなっちゃったから,あのときの米国の学生さんがどういうレポートを書いたのかはナゾ。

なお,ガーディアンのバスラで英軍の車列が襲撃されて英兵死亡の記事の最後の方は「昨年3月21日以降の英軍の死者は60人を超えたが,(攻撃・襲撃ではなく)事故による死亡もかなりの件数にのぼる」として,事故死の例を具体的に挙げています。この記事はPress Association の記事なので,ガーディアンの独自記事というわけではなさそうです。

また,BBC記事の最後の1文,
The 26-member alliance also looks likely to agree to the expansion of its operations in Afghanistan.

The 26-member allianceとはNATOのことですが,これについてはこんな記事がありました。
NATOの最優先事項はアフガン支援=英首相
 [ロンドン 28日 ロイター] ブレア英首相は28日、北大西洋条約機構(NATO)の最優先事項はアフガニスタン支援であるとしたうえで、イラクなどにおいて国際社会の役割を拡大するべきだとの認識を表明した。
 首相は英紙フィナンシャル・タイムズ紙に掲載された談話の中で、「アフガン情勢の安定に向けてカルザイ大統領を支援し、テロや薬物の脅威に対抗し、初の民主選挙の準備を進めることは、われわれの利害と全面的に一致する」と述べた。
 首相は、アフガニスタンに6500人規模の平和維持部隊を展開しているNATOが、そうした任務を遂行べきだと強調。
 そのうえで首相は、NATOが主権移譲後のイラクでも役割を担う必要性を指摘した。
 首相は、NATOがイラク暫定政府のアラウィ首相の要請に積極的に応え、イラク治安部隊を訓練しなければならないと主張。
 「(イラク暫定政府は)NATOによる多国籍軍主導や、NATOの大規模な国内展開に言及していないが、NATOの専門能力を活用することを望んでいる」と述べた。(ロイター)
[6月28日15時20分更新]


BBC記事のthe expansion of its operationsが,「アフガン情勢の安定に向けてカルザイ大統領を支援し、テロや薬物の脅威に対抗し、初の民主選挙の準備を進めること」なのだろうと思います。

んが,イラクで「NATOの専門能力を活用すること」? またワードプレイになっていますが,要はNATOがメインでやります(=米英がメインです)ってことが言いたいのか?

■追記:
アラウィ,ブレマー,ブッシュ,ヤワル,ブレア各氏のコメント。
http://news.bbc.co.uk/1/hi/world/middle_east/3846091.stm

■追記2:
↑でJarrar家に言及してますが,みなさん今週からアンマンにご滞在のようです。(KhalidとFaizaのウェブログで確認。)
posted by nofrills at 19:21| voices_from_iraq | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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