2005年07月08日

ロンドン地下鉄爆弾,わかっている情報等。

ニュースポータル,World Peace Reportのトップページのキャプチャ。日本時間8日午前9時ごろ。
wpr_8july.gif
*画像はクリックで原寸表示。

写真はキングズ・クロス駅です。■わかっている情報:
1)爆弾の数は4つ:
昨晩(日本時間)は,爆発があったのは6箇所とか7箇所であると報じられていましたが,爆弾の数は4つ。

2)爆発のあった場所:
以下,基本資料は,
http://news.bbc.co.uk/1/shared/spl/hi/uk/05/
london_blasts/html/default.stm


午前8:51 AldgateとLiverpool Streetの間,Liverpool Streetから100ヤードのところで爆発(Circle Line)……AldgateはPetticoat Lane Marketの最寄り駅のひとつです。AldgateとLiverpool Streetの駅は徒歩10分以内。

午前8:56 Russel SquareとKing's Crossの間で爆発(Piccadilly Line)……この両駅間も徒歩10〜15分以内。

午前9:17 Edgware Roadを出たばかりのところで爆発(Circle Line)……列車はPaddingtonに向かっていた,すなわちCity方面行き。

午前9:47 Tavistock Square/Upper Woburn Place,ここではバスが爆発。バス路線番号は30(ハックニー→マーブル・アーチ)。先に起きた爆発のために路線が変更されていた。

わたしの記憶に誤りがなければ,30番のバスは,ハックニー→イズリントン→キンクロ→ユーストン→マーブルアーチ……ってかこれだ。滞在中に日常的に使ってましたが,タヴィストック・スクエアは通った記憶がない。ほぼ間違いなく,キンクロの爆発のためにdivertしていたのでしょう。

3)死傷者数:
現時点ではっきりわかっている数字としては「死者38人,負傷者数百人」。(BBC

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さて,と。。。こういうときに何をどうしたらいいのか,私はわからない。

30番のバスは,特に政府関係の要所を通るわけでもなく,金融街を通るわけでもなく,どちらかというと所得の低い人々の多い住宅街を通ってHackney,DalstonからIslingtonに抜けてキンクロに出る路線で,この路線のバスに爆弾が仕掛けられたこと自体がわからない。なぜ。

シティを通る路線であるとか,ウェストミンスターを通る路線であるとかならまだ“理由”がある。でもこのバスにはそんな理由は見つけられない。

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■追記:
上に「AldgateはPetticoat Lane Marketの最寄り駅のひとつです」と書いたけど,これだけじゃ何のことやらだよね。付け足します。ここから東方面,ホワイトチャペルにかけて,また少し北上してブリックレーンの辺りにかけては,ethnically mixedなどと表されていることが多いのですが,このエリアはムスリムが多いです。有名な,East London Mosqueなどがあります。

というか,これまでロンドンのエスニシティを見る場合,宗教よりむしろ,出身地で語ることが一般的だったよな,と思います。「アフリカン」「カリビアン」「アイリッシュ」「エイジアン(Asian:インド亜大陸)」など……Asianは特に宗教さまざまです(インド,バングラデシュ,パキスタン,スリランカ……)。

だから余計に「理由がない」と思えるし,ムスリムの犯行だという断定にどうも納得できないのですよ。

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昨晩,夜の8:55ごろに,天気予報を見ようとテレビをつけたときに目に飛び込んできたのが,見覚えのあるレモンイエローのヴェストと見覚えのあるような色をした街並みだった。

まさに「はぁ????」としか表しようのない気持ち。

数秒後に「これはロンドンだ」ということを確信した後に,ぽかーんと口をあけたままでいた。その次の瞬間には,例によってstupidな面をしたGWBと激ヤセしたシラクをバックにしてブレアがreasonably clear that there have been a series of terrorist attacks in Londonと発言していた。

字幕ではreasonably clearが単に「明らか」となっていて,「字幕の字数が足らないのかな」とかいうことを考えていたが,これは明らかに逃避行動だ。

天気予報のためにテレビをつけたはずなのに,天気のことなど忘れていた。

9時。NHKの15分ニュースは枠をすべて使ってロンドンのことを報じていた。

映像を見,音声を聞きながら,理知の部分で「IRAかどうか」を考え,しかし同時に「IRAのパターンじゃない」と思った。裏づけなどあるわけではないけれども,IRAのパターンではない。

(便宜上「IRA」と書くが,必ずしも「PIRA」とかの具体的な組織を指すのではなく,北アイルランドの過激派のうち,イングランドを標的とした武装闘争を行なってきた集団の象徴/代名詞としての「IRA」であることをお断りしておく。以下,具体的に組織を言う場合は「PIRA」と表記する。)

6月はけっこう忙しくてこのウェブログには書いていないのだけれども,北アイルランドも相当荒れてきている。英国政府とアイルランド政府によるPIRAへの圧力が,ものすごく強まっている。

ただ,上半分が吹き飛んだバスの映像を見て,PIRAが停戦を破ったドックランズ・ボムの後,PIRAのメンバーが爆弾を仕掛けに行く途中でバスの車内で誤って爆発させてしまったときの映像を思い出した。
http://news.bbc.co.uk/onthisday/hi/dates/stories/
february/18/newsid_4165000/4165719.stm


夜11時,日テレのニュースに保坂さん(<漢字が違うかもしれない)という人が出ていて,IRAのことに言及していた。いわく,「欧州のアルカイダ」を名乗る犯行声明は誰にでも書ける一般論で信憑性に薄い,などなど。英訳で読んだけれど,「一般論」というのは尤もなことだと思う。

仮にこれがIRAだった場合――犯行声明が出ていないのでIRAだとはあまり思えないのだけれど,仮にそうだとしたら――これまでのパターンからすると,今後立て続けにイングランドのあちこちに爆弾が仕掛けられるはずだ。

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今もまだ,ほぼ,思考停止状態である。

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私が見た範囲では,民放各局の中では,日テレが感情的にならずに落ち着いた報道をしているように感じられた。字幕がちょっと粗い(固有名のチェック漏れなどがある)けれども,そんなことはあまり重要ではない。

一方で「恐怖に陥り」「怒号が飛び交い」みたいな,タブロイド調の言葉で語りたがるテレビ局もある。その局の夜のニュースと朝のワイドショーを少し見てみたが,ステレオタイプとしての「天ぷらそばに載っているえび天」みたいだ。画面の中の人々が冷静なのに,テロップやナレーションで「恐怖に陥り」みたいな情報を付け足して,矛盾していることに気づかないのか?

ロンドンは基本的に「テロ慣れ」している。詳細は,The Troubles @ WikipediaPIRA @ Wikipediaなど,当ウェブログならばnorthern_irelandのカテゴリを参照されたい。

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思考停止しているし,仕事もあるので,コメントへのレスができないことが多いと思いますが,あしからずご了承ください。

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ちなみに,これまでにロンドンで「爆弾テロ」を行なったことがあるのは,
・北アイルランドの「武装闘争」集団
・極右組織(SOHOのパブ爆弾事件)
です。

襲撃事件は数多く発生しています。特に目立つのは,人種差別主義者による難民への襲撃,極右によるシナゴーグ襲撃(スワスティカを書いた事件が数年前にあった)など。モスクも襲撃されたことがあったような記憶があります。この辺はanti-Nazi Leagueあたりに情報あり。

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■追記:
あと,2004年5月には,何か異常な筆致の記事がイヴニング・スタンダードに出てました
posted by nofrills at 09:29| todays_news_from_uk/07july2005 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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