2004年03月05日

ある誘拐事件の顛末〜バグダッドより。

バグダッドのKhalidさんのblog,
Tell me a secretの3月4日。

従兄弟が誘拐されるという事件が起こりました。原文はここ。以下,ざっと日本語化します。

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3月4日
posted by khalid # 2:54 AM

どうもです。

バグダッドが本当に悲しい町に見えます。アシュラなのに通りには人影もなく……僕が知ってるバグダッド,僕の大好きなバグダッドはこんなバグダッドじゃない。このバグダッドは幽霊の町です。空気ではなく死のにおいがしてて……常にショックを受けることが予想される町。アシュアラなのに,バグダッドはこんな感じです。

僕の従兄弟(20歳で建築科の学生です)が,アシュラの前日(前々日だったかもしれません)の朝早くに車で家を出て,大学に向かってたんですが……家から何百メートルか行ったところで「タイヤが外れかけてるぞ」と大声で言われたので,車を降りてチェックしようと……すると銃をつきつけられて,彼らの車に乗れと言われ……従兄弟の車は現場に残して,彼らは従兄弟を誘拐したのです。

その次の日に彼らは電話をかけてきて,「20万ドル用意しろ」と言いました。そう,20万ドルです。そうしたら解放してやると。

今も交渉は続いています。

従兄弟を誘拐した連中のひとりは,従兄弟とふたりでいる時にはいい人らしいです。何しろ親に電話をかけてもいいと言ってくれてるわけですから。すげーいい人だと思いません?

誰かが誘拐されたと耳にすることが,日常茶飯事になりつつあります。子どもが誘拐されてもあわてふためいたりしなくなりました。単に何日かいなくなるだけ……あと,金銭的にものすごいことになって,家族がずっと働いてきたのがすっからかんになるんですが。

僕たちがまだお互いを信用している,これはすばらしいことだと思いません? 彼らは必ず約束を守って,誘拐された人を殺したりしないと信用してます。ほんっとすばらしい。

実は,友人のお兄さんも誘拐されたことがあります。すごい多額のお金を払いました。ジャディリーヤに持っていた家を売ったんだそうです。ジャディリーヤって言えば高級住宅街ですよ。でも誘拐犯は約束を守るような連中ではなく……友人のお兄さんを殺しました。

僕たちのために祈ってください。

では。

posted by khalid # 3:50 AM

最新情報です。どうにか身代金を5万ドルまで下げることができました。

誘拐された従兄弟,アマールっていうんですが,昨日また電話がありました。大丈夫だとのことです。

posted by khalid # 3:07 PM

速報です。

今晩おじさんのところに電話をかけて,どうなってるのか確認したんです。そしたらどうなってたと思います?

アマールが家にいた!

誘拐犯は最終的に2万ドルで手を打ってくれました(たった2万ドルで)。

笑えるのは,よしこれで解放だというときに,誘拐犯はアマールにさよならのキスをしてごめんねと言ったっていうこと。

このおかしな世界,ほんとどーなってるんでしょう?

まぁ,おじはよろこんでます。全財産がなくなったんじゃないかと僕は思いますが……車も1台売ったんじゃないかなぁ。借金もしたらしいです。そう言ってました。いくら持ってるよという話が,本当かどうかなんてわからないし。女の人が私,すごいのよとか言うのは信用するけど【訳注:原文のhow ild をhow wildのタイポと判断しました】,男の人が財産はどのくらいという話をするときは信用できません。言ってるよりもずっとたくさんあるか,逆に全然少ないかのどっちかに決まってます。

というわけで一件落着です。家族の誰もがアマールのことを大切に思っていて,いなくなるとたまらないと悟りました。

誰かが自分にとってどのくらい大切なのか,失ってみなければわからないんでしょうか?

あなたの知っている人を大切にしてください。彼らがいることに感謝してください。彼らの誰一人として,永遠に存在しているわけではないでしょうから。

では。
posted by nofrills at 10:27| voices_from_iraq | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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