2004年03月04日

バグダッドとカルバラの爆発についてIraqi blogを24件見た。

バグダッドとカルバラにおける爆発について,一通りイラク発のblogを見てみた。何にせよ,「あるイラク人」を「イラク人一般」にすりかえて解釈してしまうことは何としても避けなければならないのだが,ひとつ前提としておかなければならないのは,これらの「生の情報」(と私が解釈しているもの)は,「英語ができてパソコンを使えるイラク人」によって発信されているという〈事実〉である。彼らの書いていることがどの程度一般性があるのかは私にはまったくわからない。見当すらつかない。それを前提に。

なお,イラクのblogは,http://iraqblogcount.blogspot.com/のIraq Blogsのリストを上から順番にたどった。ただしニュースっぽいサイトは除外した。新しい記事がアラビア語のみのものも残念ながら除外した(言語の壁のため)。また,ついでなので各blogの更新状況もメモしておく。

【記事リスト】
1) dear Raed (Salam Paxさん & Raedさん)
3日,Raedさん投稿,「電話がつながらないのだけど無事でいるよね」という内容。Salam Paxの無事を心から祈るのみ。

2) G in Baghdad | G in Baghdad (photo)
2003年9月以来更新なし。

3) Ishtar Talking (from Basra)
2003年9月以来更新なし。

4) Baghdad Burning (Riverbendさん) →レシピ集blog
3月3日付けエントリあり:Ashoura Tragedy...→このblog全体が,こちらのサイトで日本語化されています。

5) Healing Iraq (zeyadさん:子供の頃英国で育ち,バグダッド大学を卒業した歯科医さん)
3月3日付けエントリあり:Ashurra attacks

6) THE MESOPOTAMIAN (Alaaさん)
3月2日付けエントリあり:MASS MURDERS 他

7) Iraq at a glance (aysさん)
3月2日付けエントリあり:what's going on ?! / A tragedy

8) Hammorabi (samさん)
3月2日,3日付けエントリあり:The Fucking Thugs Sh** it / The Bastards! 非常にショッキングな写真があります。ちぎれた足,転がる首,道路に横たわる死体(あるいは重傷者:区別がつきません)……正視できませんでした。でも見てください。

9) Nabil's Blog
最終更新2004年2月27日のため,カルバラとバグダッドの爆発についての記事はなし。

10) baghdad skies (在英イラク人によるblog) ※リンク集充実。フランス革命との比較などもあり個性的。
最終更新2004年2月17日。

11) Baghdadee →現在はフォーラム形式に移行。
3月3日にSalimという人がCNNの伝えることについてスレッドを立てています。

12) Live From Dallas (Fayrouzさん:バスラのカトリックの家庭の出身で,大学を出た後オーストラリアに移住し,米国人と結婚して現在はダラス在住のイラク人女性)
3月2日付けエントリあり:They Killed Imam Al-Hussein Again (イマーム・アル=フセインはアーシュラの祭りでたたえられる殉教者)

13) Iraq the Model (Omarさん,Aliさん & Mohammedさんの3兄弟)
3月2日付けエントリあり:Spitting in the face of the wind.

14) wildfire (イラクにサーカスを派遣している英国の人々)
最新ニュース (articles)参照。最終更新3月1日。

15) a family in baghdad (faizaさん:3兄弟はそれぞれ独立→後述)
アラビア語→英語に翻訳してからアップするのでタイムラグあり。3月3日アップ分は2月27日に書かれたもの(アーシュラについて)。
※息子のRaedさんはdear Raed (Salam Paxさん)にて白字で投稿,Khalidさんは独立してtell me a secretというblogを開始(最終更新2月27日),Majitrixさんal mujahaを運営(今は国外にいるのか,更新されてませんが)。

16)Iraq & Iraqi's (Firasさん:バスラ出身,キリスト教徒で企業の専門職)
3月2日付けエントリあり:Karbala

17)ihath (faizaさんのblogの英訳担当。カナダ在住イラク人。)
最終更新3月1日。

18) road of a nation (sarmadさん:大学生)
最終更新3月1日。

19) Sun of Iraq (Alaasmaryさん)
最終更新2月26日。

20) The Iraqi Agora (イラク内外のイラク人による共同blog)
最終更新2月24日。←liminalさんの「歴史」とblogについての文章,おもしろいです。

21) Shlonkom Bakazay? (Mister Bakazayさん:Shlonkomは"How's everybody?" で,Bakazayはモスルの方言で何かを強調するときに使うのだそうです。「じゃん」みたいなもの?)※UKの,BBCとかIndependentとかをよく読んでおられる。
3月2日付けエントリあり:A Black Day

22) Iraqi Spirit (Oさん:在外イラク人)
3月3日付けエントリあり

23) Kurdo's World
3月2日に更新されていますが,爆発とは関係のない話題(「クルドの自治」について)。

24) Iraqi Passport (Uさん:イラク生まれで米国育ちの映画作家)
3月2日にエントリあり ※爆発が起きたとき,バグダッドの寺院のあたりにおられたそうです。

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この作業は非常に消耗する作業だった。原因は主に,一部のblogで「コメント」を丁寧に読んだことにある。たくさん「コメント」がついているとついつい興味を持ってしまうのだ。

私が目を通した「コメント」は,文面などから判断するに大半はUSAからであり,英国やオーストラリアなどから少々&非英語圏からごくごくわずかというところである。

これら「コメント」を読んで強く感じるのは,「聞きたいことだけを聞き,聞きたいことだけに反応する」という態度だ。おそらく,blogというツールでは読んだその場で反応を投稿することが容易であるがゆえにいっそう生々しく,「聞きたいことだけ……」が見えるように私には感じられた……そしてこれらのコメントを読めば読むほど,私には「何が〈真実〉なのか」がわからなくなる。こんなものを読まなくてもわからないというのに!

私が一連の作業で確認した範囲では,早い話,「コメント」が,「コメントを投稿した人が何を信じているか」しか物語っていない。対話が成立しているように見えないのだ。ひどい場合にはコメント投稿者が別の投稿者をこき下ろすことが延々と続いていたりする。

「イラクからの生の情報」(と私が解釈しているもの)を読みに行って,イラクじゃないところからの〈自分が信じているもの〉や〈主義主張〉をおまけにもらって帰ってきたのだから,そりゃ消耗もする。

そもそも,「英語で書かれている」という〈事実〉だけを見ても,ある程度斟酌して考えなければならないのだ。

それを超えて,魅力を感じるIraqi blogは確かに存在する。それもまた,私にとっての〈事実〉である。
posted by nofrills at 09:00| voices_from_iraq | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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