2006年06月14日

「様」ニュースのお時間です・・・というか「ベッカム様」と呼ぶぞ。

うわぁ、これはひどい。

Beckham hits back at German paper
http://news.bbc.co.uk/sport1/hi/football/world_cup_2006/teams/england/5077706.stm

ドイツの大衆紙に家族をネタにされた。しかもそれが自分とヴィクトリアだったらいつものことと流したかもしれないけど、ネタにされたのが「様」のお母さんとお姉さん(or妹さん)と息子だっていうから、ひどい。いくらなんでもやりすぎだ。(「どーも、イチローの父、チチローです」、とかっていうんじゃないんだから。)

「様」語録。
He said: "When it comes to my family that is one thing I won't accept and never will.
_
"I find it sad that one person drops to the level of criticising my family, but it is one sad person thinking what they can do to put me off my next game."
_
He added: "I've had enough things said about me outside of my football career to not worry about something like this.
_
"I do find it sad but I've always had a great relationship with the German public. It's never been a problem."

_
「家族がああいうふうにやられちゃうとね、ちょっと許せないし、この先も絶対許せない。家族のことをああいうふうに言うほどのレベルにまで落ちれる人間がいるってことが悲しいよね。でもひとりの情けない人間がそういうことして、次の試合への気持ちを切れさせようって考えてるっていうことで。僕は、サッカー選手としての部分のほかの部分であれこれたくさん言われてきたし、そういうのは本気で気にしたりしてない。でも、情けない。ドイツの人たちとはいい関係を築いてきたのに。今まで問題になったことなんかなかったのに。」
や。日本語にしてみたら悔しくて涙が出てきた。BBCの記事には何をどうネタにされたのか書かれていないけど、そーゆーときはタブロイド、Mirrorにはきっちり書いてある。いわく、ドイツの大衆新聞が、次のように書いたということだ。

Tobias Holtkamp, writing in Germany's biggest selling tabloid Bild, claimed Becks's sister Joanne looked like a pig and was "the type of Brit who would dance topless on holiday in Spain after necking copious amounts of Sangria".
_
The article featured pictures of his two elder children Brooklyn and Romeo -which it labelled "dwarfs" - his mum Sandra, 52, wife Victoria, and Joanne.
_
Showbiz columnist Holtkamp called on the paper's five million readers to nickname them "the Addams family" for the duration of the tournament.


つまり、お母さんとお姉さんと息子たちと妻に「アダムズ・ファミリー(the Addams family)」というあだ名をつけて、会期中連載するという企画。お姉さんについては、太っていて、「休暇になるとスペインの海岸でサングリアをガブ飲みして上半身裸で踊ってるタイプのイギリス人」と書き、息子たちについては「小人」と書き……掲示板とかで個人がやる分にも品位がないが、新聞がこれをやるとなると下劣だ。ちなみに「アダムズ」は、綴りは微妙に違うけど(Adams)、ヴィクトリアの姓だよね。。。もちろん映画の「アダムズ・ファミリー」でもあるけど。

ミラーの記事にはドイツの報道についてもっと詳しく書かれているけど、これ以上は引用しない。一番ひどくやられているのはお姉さんのようだ。要は、他人の外見をあげつらい、「英国人」の悪いステレオタイプで語り、映画の「アダムズ・ファミリー」をベッカムの家族に当てはめて、嘲笑しているということだ。選手や監督をネタにするんならまだしも、なぜ家族に矛先を向けるかね。

イングランド(というか英国)とドイツとが、「宿敵」の間柄だということはもちろん前提だ。それにしてもひどすぎないか。This is not funny at all.だ。

この新聞、今年の「ムハンマド諷刺画」騒動から何も学んでないのかね。まさかあのソマリア出身の女性のように、「挑発する自由」を額面どおりに信奉してるんだろうか。(ありうるからなぁ、これが。)

英国のタブロイドでは、たぶん、the Sunが大騒ぎだろう。私はこれ以上心を乱したくないのでthe Sunは見ない(ただでさえイラクは相変わらずの茶番劇written by USAの真っ最中だし、イスラエルが爆撃しといて「誤射」と言いぬけようとしているし、この世界はめちゃくちゃなんだよね)。この新聞は、イラク戦争前に英米と仏独がやりあってたときに、シラクをみみずに仕立て上げたような、下劣な新聞だ。というか、「何と、我らが主将が辱めを受けている! これはわが国に対する恥辱である!」と勇ましいことを書けば、新聞はおもしろいように売れるから、そうするだろう。別にrespectableである必要もない新聞だから、あからさまに下品にやるだろう。あー、やだやだ。

でもね、今回「様」には惚れたよ。ミラー記事の最後のところ:
FA spokesman Adrian Bevington said of Becks: "He could have asked for Bild to be excluded from the press conference but he has not done that. It is a personal matter but I think that says a great deal about his attitude towards it. He has risen above this."
_
FAのスポークスマンが言うには、「問題のドイツ紙は記者会見に来させないようにしてほしいと言うことも、ベッカムはできたんです。しかし彼はそういう要請はしてきていない。これは個人的な問題ですし、それゆえにベッカムはこういう態度を取っているのだと思います。ベッカムはもうひとつ上に行ってます。」


……すいません。遅ればせながら「ベッカム様」と、心からお呼び申し上げます。カギカッコもつけます。

あと、イングランド・ナショナル・チームのみなさんが、普段はセンターバックとして信頼を置いているリオ・ファーディナンドに「どっきり」を仕掛けられたというテレビ番組をレポートしてくれているヒナキさんとこの10日付け記事。これによると、「ベッカム様」への「どっきり」は(くそ、カギカッコが多いぞ):
スポンサーとの会談のためマンチェスターに来たベッカム。駐車場でクルマに乗り込むと、「いつものように」すぐにシートの下にはいつくばって隠れる。ここでリオの解説。「パパラッチさんよ、あんたらのせいでいつもデービッドはこんなことさせられてんだぜ」。これはマジでかなり気の毒なシーン。
_
 ドライバーはベッカムと同じ東ロンドン出身という饒舌な男。「なんでマンチェスターなんかに行っちまったんだ」と文句を言うと、ベッカム「マンチェスターが好きだから」と答える。
 ところが、道を間違っている(?)のに下ろしてくれないドライバー。時間に厳しいベッカムは気が気でない。再三下ろしてくれると頼むが、下ろさない。エージェントに電話するベッカム。そしてついに、走っている車のドアを開けて降りてしまう!
_
 後ろの車から見ていたリオ、すぐにクルマを降りてベッカムを追う。「デービッド! デービッド!!!」と呼ぶがベッカム知らん振りで、パパラッチと勘違いして猛ダッシュ。……


「なんでマンチェスターなんかに行っちまったんだ」に対する「マンチェスターが好きだから」……「あなたはなぜ山に登るのですか」に対する「それはそこに山があるからです」のような、ああ。

なお、この「どっきり」シリーズ、ルーニーもかなり気の毒だと思いました。あと、ギクズ(ウェールズ代表)はたぶん片棒担ぎすぎです。

そうだ、だらだらとマンUつながりで、しかもついでのようで申し訳ないですが――親分が引退なさいました。セルティックへの移籍からわずか半年、怪我のため現役を続けることは不可能との判断。BBCの記事にはLegendの文字があります。

Legend Keane announces retirement
Last Updated: Monday, 12 June 2006, 10:18 GMT
http://news.bbc.co.uk/sport1/hi/football/teams/c/celtic/5071440.stm

北アイルランドでセクタリアン・ヴァイオレンスの犠牲となった15歳のカトリックの男の子にセルティックの選手のサイン入りのユニを送ったというニュースが、「ロイ・キーン選手」としての親分の記事を読んだ最後になりました。リザラズ、デサイー、ペルカンプ……と「引退」の報に接したあとだけに、さびしさもひとしおです。同時に華々しい舞台で引退、なんて粋なことのできる選手は、本当に少ないなぁと。

なお、BBCのフォトギャラリーの6枚目は必見です。「引退についての反応」のページに、最後にSDLPのマーク・ダーカン(北アイルランド)のコメントがあるのが、私には感慨深いです。
posted by nofrills at 21:55| todays_news_from_uk | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。