2004年11月24日

Cheriegate第2幕

2002年11月終わりごろか12月初めごろに英国を揺るがしたCheriegate,トニー・ブレアの妻でバリスターのシェリー・ブレアが,不動産購入に際し,後に国外退去処分となったオーストラリア人の詐欺師に相談に乗ってもらっていた,というようなことがコアにある「疑惑」だった。

それから2年――Cheriegate第2幕。21日,タブロイドのメイル・オン・サンデーが,ブレア夫妻の所有するフラットが軍需企業Thalesに賃貸されていて,家主のブレア夫妻に年6億ポンドが入っているという「疑惑」を報道した(参考記事)。

で,そのフラットが,2年前のCheriegateで問題となった,例のフラットだった。なのでCheriegate 2。

もうこんな呪われたフラットはとっとと売却すればいいのに。(笑) 高く売れるよ,きっと。

ともあれ,さっきBBCを見てて気付いたのだけど,今年でブレアが労働党党首になってから10年。(もうそんなになるのか。)つまり,「ニュー・レイバー」作戦開始から10年。実際に政権を取ったのは97年なのだけど,94年という時期を今から振り返ってみると,あーなるほどーということがいろいろある。「歴史が証明する」ってことか?

ともあれ,97年にブレアが政権を取ってから,英国の経済は劇的に上向いた。ある有名旅行ガイドブックに「街角には失業者があふれ」とまで書かれていた「英国病」の状況は,ITブームやら何やらで,一気に「昔はそんなこともあったねー」になった。実際,6年ばかりのブランクを置いて2000年に渡英したとき,私はあまりの変貌ぶりに強烈な違和感に襲われ,どーにも調子が狂ってプランも狂った。

そのときに最も変化が著しかったエリアのひとつが,ロンドン中心部から北東の方角にあるAngelからIslingtonにかけての一帯。かつては「いや〜ん,こんなとこ,夜ひとりじゃ歩けない〜」(歩いたが)というサツバツとした雰囲気だったのが,代官山みたいになってる。こじゃれたカフェまでありやがる。イギリスのくせに。(笑)

最もよく聞いたイズリントンの変貌の理由は,「ブレアが住んでたところだから人気がある」というものだった。

当時トニー・ブレアは,就任当初のブームは過ぎていたとはいえ,まだ「若くてハンサムな首相」「英国を建て直した有能な首相」と見られていた。

だから私も「なるほど,あやかりたいヤンエグとかが住みたがるだろうな」と,よくわからん理由で納得してた。

イズリントンの不動産価格の急上昇にどうやら裏があったらしいというのは,かなり後になってから知った。(ソースは忘れた。多分ガーディアンか何かの新聞。昔の「today's news from UK」に何か書いたかもしれない。書いてないかもしれない。)

2000年をまた振り返ると,あっちでも再開発,こっちでも再開発,New Labour, New BritainでBritain Deserves Betterでeducaion, education and educationの時代だった。(最後のはちと違うか。。。)

一方,2000年に私が滞在していたロンドンのハックニーという行政区は,かねてから貧困層が住民の大多数を占めてて税収が極端に少なく,区の財政が破綻しきっていて,歩道のマンホールのコンクリート製の蓋が割れてしまっているのが放置されているような状態だった。

バスで20分も行けば代官山めいたイズリントンに到着するのに,このギャップはなんだろね,と思ったのだけれど,深く追究している時間は私にはなかった。(このときの取材で書いた本がこれ。)

ハックニーってのは陸の孤島で,生活がしづらい。シティからバスで15分もかからないくらいなのに,地下鉄が通ってなくて,自家用車もしくは自転車がない場合は,時間通りにくることはめったにないバスか,あるいは20分に1本しかこない上に行きたいところにまっすぐに行けない鉄道を利用するしかない。あるいは45分くらい歩くという選択肢もないわけではないが,治安はよろしくないので実行する人はあまりいない。

こんなハックニーだから「地下鉄新線」計画はずっとあったらしいが,ロンドンも英国も不況で財政が厳しくて実現されてなかった。でも2000年は,「不動産ブームもあるし,ディベロッパーもほっとかないだろうし,今度こそ地下鉄はできるかもしれない」と,シニカルな人でさえ言っていた。

それから4年以上が過ぎ,ハックニーに地下鉄ができるという話はまったく聞かない。2003年に書かれたHackney.gov.ukのドキュメントによると,at present looks unlikely to be able start construction for about another 10 years, with opening about a further 5 years later.だそうで,計画が最初に言われ始めたときとまったく同じことを言ってるようだ。

それでも不動産ブームはまだ続いていて,ロンドンの家賃は,ひとり暮らしの勤め人の住む1ベッド・フラットが,円に換算して月に20万とかって聞いたかな。平均的な住環境で。

そういうコンテクストの中で,今回のCheriegate 2のことを読むと,
http://news.bbc.co.uk/1/hi/uk_politics/4029601.stm
The Mail on Sunday claimed the couple could be earning £60,000 a year from the flats which are in an upmarket development called The Panoramic.
_
However Downing Street said that the Blairs were not involved in letting the flats, which are managed by the Manchester Trust, a blind trust set up to separate Mr Blair from decisions about how his assets are invested.
_
"The Blairs play no part whatsoever in the choosing of tenants of the Bristol flats. It is all handled by the Manchester Trust. Nor have they ever had any contact with the tenants," a spokeswoman said.
_
"The idea that there is any conflict of interest arising from it is therefore absurd."


……。

やたらと読みやすい記事もどうぞ。
http://www.itn.co.uk/rssnews/index_715631.html

■突然ですがボキャビル:
blind trust
((公職にある個人の株式・不動産などの))運用白紙委任 ((私益をはかる行為によって公益が損なわれないように運用を受託者に任せること))
※研究社『リーダーズ英和辞典』より。
posted by nofrills at 12:01| todays_news_from_uk/about_Blair | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。