2005年08月29日

北アイルランドでパレードをする人々,そして襲撃。

北アイルランド,またパレードで荒れたそうだ。今回はCo. TyroneのCastledergでの事件。

パレードしたのはRoyal Black Institution(オレンジ側)。負傷したのは警官7人とパレードのバンドマン2人の合計9人。

Nine injured in attack on parade
http://news.bbc.co.uk/1/hi/northern_ireland/4192258.stmCounty Tyrone:
http://en.wikipedia.org/wiki/County_Tyrone

Tyroneはカトリックが多数を占めるカウンティだ(1998年にRIRAがボムったOmaghはこのカウンティの中心都市)。が,事件が起きたCastledergは,アイルランド独立戦争(アングロ・アイリッシュ戦争)のときに,プロテスタントの方がIRA(<現在の「IRA」ではない)よりも人数が多かったという(参考)。

CAINにある地図(と,地名確認用の別の地図)を見ると,Castledergは緑色だが,カトリックが50〜59%の色だね,これは。ということはだいたい半々だ。

BBC記事(上記)によると,パレードがカトリック地域を通ったときに,バーから出てきた人々に襲撃されたとのこと。

事件を受けてUUP所属のアセンブリー議員は「30年前に逆戻りだ(This has set community relations back in our area - it has set it back 30 years.)」とコメントしている。

パレードを行なったRoyal Black Institution:
http://www.royalblack.org/missionstatement.html
↑のミッション・ステートメントを見れば(読まなくても見るだけで),何がどうなのかがある程度ははっきりとわかるはず――こういうの見るとね,イラクのSCIRIとかムクタダ・サドルとかとどう違うのかわからなくなるのよ,正直。ま,あんまり深く調べようとか思ってないのでカンチガイも甚だしいかもしれませんが。

Royal Black Institution @ CAIN:
http://cain.ulst.ac.uk/issues/parade/organis.htm#5
「オレンジオーダーとどこまで区別できるものかは疑問」「ただしRBIは,オレンジオーダーのように政治的なことを前面に打ち出すのではなく,宗教的なことを中心としている」ということが書かれている。Jarman and Bryan (1996)の記述として紹介されている「オレンジ主義の中のエリート層」ってのは,かなり深そうな……いや,あんまり深く調べる気はないのですが。

Royal Black Institution @ wikipedia:
http://en.wikipedia.org/wiki/Royal_Black_Institution

このインスティテューション(っつーか「結社」だが)の入会要件が上記wikipediaに掲載されている。一部だけ引用しておく。
I was born of Protestant Parents, who were in no way nor at any time connected with the Roman Catholic faith, and I was born in wedlock.
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Married? and my wife is a Protestant.

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両親はプロテスタントで,いかなる形でもカトリックの信仰と縁のあったことはない。また私は両親が正式に結婚してから生まれている。
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(結婚している場合は)妻はプロテスタントである。


BBC記事では,シン・フェインの人が「ロイヤル・ブラック・インスティテューションのパレードのルートがカトリック地域を通ることを認めたパレード管理の公的機関(<というものが北アイルランドにはある)に非がある」と述べているのが,いかにもな調子で引用されているが,ではこのパレードがどういうものかというと,再度同じwikipedia記事より:
The other major parade of the year is "The Last Saturday" held on the last Saturday in August at several locations throughout Northern Ireland. The Royal Black Institution has adopted a more conciliatory attitude to contentious parades than the Orange Order, and is less overtly political, though not without political influence.


このパレードとは直接関係ないと思うけれど,この人たち,毎年「ウィリアムはジェームズを破った」のチャンバラごっこ祭りもしている。

「歴史」って何だろね。

ところで日本の学校の社会科(特に世界史)で習う「イギリスの名誉革命(無血革命)」って半分は嘘。確かにイングランドではほとんど無血だったかもしれない。でも,とりあえず王座を明け渡したジェームズ2世とオレンジ公ウィリアムは,アイルランドで戦闘を行なっている。(スコットランドでも「ジャコバイトの乱」が起きている。)

アイルランドでの戦闘の結果,ウィリアムが勝利し,ジェームズ2世はフランス(ルイ14世時代)に亡命し,王座奪還の野望は抱き続けたものの,結局はそのまま英仏海峡を渡ることなく何年か後に死去。

で,ウィリアム(プロテスタント)がジェームズ(カトリック)に勝利したことを,今になってもわがこととして記念しまくって,緑な人々をやっつける歌とか歌ってるのが,オレンジな人々。

まったく1690年のことをいつまでやってんだか……と思ったら,う〜ん,吉良上野介が浅野内匠頭に松の廊下で切りつけられて云々はそのころじゃなかろうか。。。案外最近ってこと?
posted by nofrills at 08:30| todays_news_from_uk/northern_ireland | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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