http://www.portadownnews.com/finalnotice.htm
何でも,やってる人がミラーからのオファーを受けたからサイトの方は停止,ということらしい。
the Portadown Newsというのは,北アイルランドのパロディ・ニュース専門ニュースサイト。
更新停止について編集者(というか1人でやってるんだが)のNewtにBBCがインタビューしている。
That's all jokes
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/magazine/4189048.stmPortadown Newsのすべてのネタが私にわかるわけではないが,わかるものはかなり強烈なものが多い。
サイトの存在を知ったのは,誰かのウェブログで紹介されているのを見たときのことだったのだが,正直,当初は見てもさっぱりわからなかった――ある程度知識を共有していないと,パロディはわからないから。
ネタにされてるのは,あっちとこっち両方。でも一番多いネタはジェリー・アダムズかなぁ。
こういう形でネタにされてると,「ああそういうことか」ってのが一発でわかったりする。ジェフリー・ドナルドソンがUUPを抜けたときのことを調べるのに一番わかりやすかったのは,実はwikipediaですらなく,ここだったりする。(これなどいくつかの号。)
例えば2004年11月15日号にある記事:
警察から移民労働者のみなさんへ:
ロイヤリストに襲撃された場合
_
1 身を伏せます
2 目を閉じます
3 その姿勢のまま,ロイヤリストコミュニティ内部から建設的な議論を求める声が起きるのを待ちます。
少なくとも,「移民労働者」と「ロイヤリスト」の関係はかなりはっきり見えるし,「ロイヤリストの建設的な議論」がどういうものかも何となくわかると思う。
また,2005年6月27日にある記事:
北アイルランドを代表する人権活動家のショーン・ケリーが保釈されないようなことがあればこの夏は暴力の嵐が吹き荒れる,とシン・フェインは警告している。……
※「ショーン・ケリー」はIRAの爆弾犯。グッドフライデー合意で保釈されたIRA活動家のひとりだが,再収監され,そして再び今年のIRAのステートメント(武装闘争終結)の直前に保釈された。
これはノーコメント(笑いすぎておなかが痛いから:原文がとにかくおもしろすぎる)……。
2003年1月に出たDoomsday Planとか,2003年12月に出た「BNPの広告」とか,イラク戦争のときに出てた「北アイルランド観光局の広告」とか,好きだなぁ。
あと,BBC記事にも引用されているのだけど,2005年3月の(にせの)「IRAステートメント」(ロバート・マッカートニー殺害犯について):
"That IRA statement in full - Following an investigation of ourselves alone by ourselves alone several volunteers have volunteered to be shot."
実はこの後がもっと見事な文体模写(IRAのステートメントは「英文読解」すること自体がけっこう大変)なので,現物を見てみてください。
Portadown Newsの開設は4年半前。過去の記事はすべてウェブサイトで閲覧できる。
http://www.portadownnews.com/archive.htm
当初はもっともらしく書かれた文章主体だったのだけど,私が知ったとき(2003年終わりか2004年初め)には写真主体になってた。
BBCのインタビューで,Newtさんは,このサイトを始めたきっかけは,プロテスタントのパレードに関連した暴動で街がめちゃくちゃになったことでフラストレーションがたまっていたからだ,と答えている。(Drumcree stand-offでのこと。)
※そのDrumcree特集は……hilarious!!! (ホーリー・ウォーター・キャノンって。。。)
最初は友人同士でニヤニヤするために始めたサイトだが,新聞に紹介されるようになってから多くの人々に閲覧されるようになった。
あっちもこっちもネタにしているから,サイトを開始した当初はあっちからもこっちからも狙われるかもしれないということで匿名でやっていた。が,ジョークを書いたことで拉致られてボコられるということにはならなかった。ずっと前ならやばかったかもしれない,とNewtさんのインタビューには書かれている。そして脅迫メールは送られてくるが,自分よりスポーツ記者の方が大変なんじゃないですか,とも。(笑)
このBBCの記事の中に,2001年11月にプロバイダによってサイトが閲覧できない状態にされたときのBBC記事がリンクされていて,その中で引き合いに出されているのはUSAのthe Onionだけど……テイストとしてはPrivate Eyeに近いと思います。
そっかー,ウェブ版終了かぁ。。。残念だけど。