2006年02月02日

無料翻訳比較〜「使えるオンライン無料翻訳」はどれか。

利用料無料で、ブラウザさえあれば使えるオンラインの機械翻訳(英→日)を比較してみた。

試してみた機械翻訳は以下の9件。すべてに同じサンプル文(とても単純なもの)を投げて、その結果を比較。

(1)AltaVista Babel Fish Translation
http://babel.altavista.com/tr
(2)Infoseek翻訳(翻訳エンジンはAmikai:@nifty翻訳なども同じ翻訳エンジン)
http://www.infoseek.co.jp/Honyaku?pg=honyaku_top.html
(3)Excite翻訳(翻訳エンジンはAccela TechnologyのBizLingo
http://www.excite.co.jp/world/english/
(4)TransLand/EJ・JE 翻訳体験デモ(Brotherの製品のデモ版)
http://www.brother.co.jp/jp/honyaku/demo/index.html
(5)Yahoo! JAPAN翻訳(翻訳エンジンはCross Language
http://honyaku.yahoo.co.jp/
(6)Google翻訳(BETA)
http://www.google.co.jp/language_tools?hl=ja
(7)World Lingo
http://www.worldlingo.com/en/products_services/worldlingo_translator.html
(8)SYSTRAN
http://www.systransoft.com/index.html
(9)マジカルウェブ
http://www.magicalgate.net/ja/index.htmlサンプル文:
http://www.ukvisas.gov.uk/において、「6ヶ月以上の学生」で「日本国籍」で「現在の居場所は日本」を選択し、クリックした画面での一番上の文。
You asked if a national of Japan needs a visa to come to the UK as a student for longer than six months.
_
Yes, you need a visa.


なおこの例文は特に難しいものではない。というか、これを「誤訳」することは、「英語ができる」人間の翻訳ではありえない。高校2年生で疑問を感じずに読めて当然の文である。

この文を正確に解釈/翻訳するためのポイントとしては、
*ifの名詞節(「〜かどうか」)
*ifの名詞節内の主語(a national of Japan)と動詞(needs)と目的語(a visa)
*to不定詞(to come to the UK)
の3点。

残りの要素(as a studentとfor longer than six months)は、それぞれの句としての把握さえ間違っていなければ、翻訳結果の日本語で句ごとの順番がおかしなことになっていても、「まあ、意味はわかる」という結果になるだろう。

では、以下、比較の詳細。

(1)AltaVista Babel Fish Translation
http://babel.altavista.com/tr
日本の国民は査証が長くより6 か月間学生としてイギリスに来ることを必要とするかどうか尋ねた。はい、査証を必要とする。


……「イギリスに来ることを必要とする」がおかしい。needs a visa to come to the UKなんだから、目的語はto come to the UKではなくa visaである(つまりneeds a visaであって、needs to come to the UKではないということ)。

「日本国民は査証が必要か」なら問題ないのだが、to不定詞を「〜することを」と解釈してしまうために、「査証が」と「来ることを」が「必要とする」の目的語になってしまって、翻訳結果がおかしくなっている。

それと、「長くより6 か月間」は語順が変。

(2)Infoseek翻訳(翻訳エンジンはAmikai
http://www.infoseek.co.jp/Honyaku?pg=honyaku_top.html
@nifty翻訳など、AMIKAIエンジンを使っているサービスはほかにもある。というか最もポピュラー。
学生として英国へ来るために、日本の国民がビザを6か月より長く必要とするかどうか尋ねました。はい、ビザを必要とします。


……一見間違いはないようにも見えるが、「ビザを6か月より長く必要とする」がちょっとおかしい。ただこれは「to不定詞をどう解釈するか」という機械には厳しい問題ではある。訳文では主語のYouを訳出していないのが特徴。

(3)Excite翻訳(翻訳エンジンはAccela TechnologyのBizLingo
http://www.excite.co.jp/world/english/
あなたは、日本の同胞が、ビザが6カ月より長い間学生としてイギリスに来る必要であるかどうか尋ねました。はい、あなたはビザを必要とします。


……がんばってください。。。

【2月10日 追記】
上記はあまりに雑なコメントなので補足。(記事を書いたときには「びみょーな日本語」をたっぷり読んでいっぱいいっぱいになっていたため、上のような雑なコメントでした。)

根本的には日本語の助詞がうまく処理できていないんだと思う。翻訳結果の構造は「あなたは尋ねました」(主節)+「日本の同胞が、ビザが6カ月より長い間学生としてイギリスに来る必要であるかどうか」(従属節)で、問題があるのは従属節の方。

これは「日本の同胞が、必要であるかどうか」は主述が噛み合っていてOKだが、「ビザが6カ月より長い間学生としてイギリスに来る」がおかしいように見える。

もうひとつの見方として、「ビザが必要であるかどうか」でOKとし、「日本の同胞が」(<この訳語が変なことはここでは度外視)の「が」がおかしいと考えることもできる。

この文では後者があてはまると思う。すなわち、「〜は…が必要である」とすれば自然な日本語になるところを、「〜が…が必要である」としているのが、意味不明の訳文の原因ではないかと思う。

それに加えて、「6カ月より長い間学生としてイギリスに来る」の位置が決定的におかしい(というか、不定詞がちゃんと訳されていない)。不定詞は機械的判断が非常にしづらい(「不定」詞と呼ばれるくらいだ)のだけれども、この翻訳結果はちょっと投げやりすぎではないかと思う次第。でも「6カ月より長い間学生としてイギリスに来る」の翻訳は正確。

【追記は以上】

(4)TransLand/EJ・JE 翻訳体験デモ(Brotherの製品のデモ版)
http://www.brother.co.jp/jp/honyaku/demo/index.html
あなたは英国へ6ヶ月より長いために学生になるために、日本の国民にはビザが必要だろうかと尋ねました。はい、あなたにはビザが必要です。


……「6ヶ月より長いために」が変(forの単純な誤訳か?)だが、それ以外はまったく問題なし。あと、Yes, you need a visa.のこの訳文はすごく好き。こういう訳文が機械から返ってくるとうれしい。

(5)Yahoo! JAPAN翻訳(翻訳エンジンはCross Language
http://honyaku.yahoo.co.jp/
あなたは、日本の国民が6ヵ月より長く学生として英国に来るためにビザを必要とするかどうか尋ねました。はい、あなたはビザを必要とします。


……完璧。

結果表示の画面で、機械がどう考えたか(どういう訳語を当てはめたか)が「クイック辞書」で確認できるのも実用的。

(6)Google翻訳(BETA)
http://www.google.co.jp/language_tools?hl=ja
日本の国民は査証が長くより6 か月間学生としてイギリ スへ来ることを必要とするかどうかあなたは尋ねた。はい, あな たは査証を必要とする。


……日本語文中の変な半角スペースは原文ママ。

ベータ版とはいえ、頭から読んでいると10文字も行かないうちに意味がわからなくなるのはダダイズムの追求だと考えるしかない。さすがGoogleさんだ。

(7)World Lingo
http://www.worldlingo.com/en/products_services/worldlingo_translator.html
日本の国民は査証が長くより6 か月間学生としてイギリスに来ることを必要とするかどうか尋ねた。
はい、 査証を必要とする。


……なんかさっきこういう日本語見たよ。。。と思ったらGoogleか。違いは主語のYouを訳出するかしないかだけ。

(8)SYSTRAN
http://www.systransoft.com/index.html
日本の国民は査証が長くより6か月間学生としてイギリスに来ることを必要とするかどうか尋ねた。
_
はい、査証を必要とする。


……(7)と同じ。ただパラグラフがちゃんと再現された結果になるのは、複数パラグラフをテキスト翻訳するにはうれしいかも。(ここでは北国tvの仕様にあわせるために、blockquote内での改段落の場合は「_(半角アンダーバー)」を入れてますが。)

(9)マジカルウェブ
http://www.magicalgate.net/ja/index.html
あなたが日本の国民が学生として英国に来るためにビザを必要とするかどうか尋ねましたなぜなら、6ヶ月よりも長く。
_
はい、あなたはビザを必要とします。


……for longer than six monthsのforを接続詞と取っているほかはOK。

(番外)iTranslator (Bowne Global Solutions)
http://itranslator.bowneglobal.com/BGSX/BGSXeng_us-EntryPage.htm

……This site only supports Microsoft(c) Internet Explorer at this time.だそうです。こういうのは少なくとも積極的に使おうという気がしないのでパス。気が向いたら試してみます。

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なお、サンプル文の第2文、"Yes, you need a visa."を誤訳したものはない(さすがにこれを誤訳する「翻訳」というのは考えられないのだが)。この文においての検索エンジンごとの違いは、おおむね、「常体か敬体か」「主語のyouを省略しているか、訳出しているか」「訳語が『ビザ』か『査証』か」だけである。(BrotherのTransLandは別格。)

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というわけで、「使うならここ」と言えるのは、
(5)Yahoo! JAPAN翻訳(翻訳エンジンはCross Language
http://honyaku.yahoo.co.jp/

次いで、

(4)TransLand/EJ・JE 翻訳体験デモ(Brotherの製品のデモ版)
http://www.brother.co.jp/jp/honyaku/demo/index.html



(9)マジカルウェブ
http://www.magicalgate.net/ja/index.html

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ちなみに、サンプル文の第1文をセンス・グループごとに区切ってみると、次のようになる。(なお、節はブラケットで囲んだ。)

You asked [if / a national of Japan / needs a visa / to come to the UK / as a student / for longer than six months].


これを日本語にすると、

あなたは尋ねた[〜かどうかを/日本国籍保有者が/ヴィザを必要とする/英国に来るために/学生として/6ヶ月を超える期間]。


これをさらに整えて(「、」を多めに入れます)

あなたは、日本国籍の人が、学生として、6ヶ月を超える期間、英国に来るために、ヴィザが必要であるかどうかを、質問なさいましたね。


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蛇足ながら、Yahoo! Japanで使われているCross Languageの翻訳エンジンは、ほかのサンプル文でもまあまあ精度が高いと思ったことはあるが、ちょっと複雑になるといきなりすっとぼけたひょうきん者になってしまう。

例えば1日に公にされたIMCのレポート(北アイルランドの武装組織の現状を調査した報告書)は:

原文:
We pointed out in our Seventh Report that of the period then under review all but one month had preceded the very significant PIRA statement of 28 July 2005 and that it was therefore too early to be drawing firm conclusions.
_
Yahoo! JAPAN翻訳の結果:
我々は、それから期間のチェック中で、唯一の月以外はが2005年7月28日の非常に重要なPIRA声明に先行した、そして、断固たる結論を出していることがしたがって、あまりに早かったと我々のSeventhレポートで指摘しました。


これは、私も1度読んだだけではわかんないので機械翻訳の力を借りたいのだが、結果がこれではよけいにわかんなくなるだけだ。

ついでなのでやっておこう。

We pointed out / in our Seventh Report [that / of the period then under review / all but one month had preceded / the very significant PIRA statement of 28 July 2005 / and that it was therefore too early to be drawing firm conclusions].
_
私たちは指摘した/第7次報告書において[当時調査対象であった期間について/前におよそ1ヶ月しかなかった/2005年7月28日の非常に重要なPIRAの声明の/および、したがって確たる結論を出すには時期尚早である]。

私たちは第7次報告書(訳注:2005年10月19日)において、当時調査対象であった期間について、2005年7月28日の非常に重要なPIRAの声明の前におよそ1ヶ月しかなかったこと、したがって確たる結論を出すには時期尚早であるということを指摘している。


#難しいので誤訳しとるかもしれん。。。原文のこの後の部分を読めば、話はわかるんだけども。(IMCが「IRAのことはもう心配せんでもええがや」という言辞に一定の留保をつけてるんだと思う。)

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ちなみに、何年も前にオンラインの機械翻訳をいくつか試したときは(当時はAMIKAIかAltavistaかだったと思うが)「ifの名詞節」が「副詞節(もし〜なら)」と解釈された結果が返ってきて、「だったら自分でやるわい!」とすねました、私。

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参考にさせていただいたリンク集:
Kooss.comさんの「無料翻訳」

2000年時点での各サービス比較@impress:
http://www.watch.impress.co.jp/internet/www/article/2000/1030/trans.htm

機械翻訳についての過去記事:
ビバ!機械翻訳。(2004年11月)
マニアにはたまりません――ビバ!機械翻訳 (2)(同上)
posted by nofrills at 23:51| 英語 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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