2005年11月20日

カトリック追い出し大作戦@Ahoghill

今年の春以降、北アイルランド、Co AntrimのAhoghillという村からカトリックの住民が次々と脱出している。

8月、UVFとLVFのturf warについてのニュースが日々流れてきたのと同じころには既に、カトリックの人たちに対する暴力(家に火炎瓶を投げ込むなど)がBBCでも大きく報じられていたのだが(警察がfire blanketを各戸に配って避難のコツを教えたりしてたとのこと・・・(^^;)、現在、少数を残してカトリックの住民が去ったあとに撮影された写真というのを、Slugger O'Toole経由で見て、何と言うか、ゾッとするツボにはまった。
http://i21.photobucket.com/albums/b287/aontroim/ahoghill-sign-3.jpg
↑リンククリックで画像。(ただの交通標識と紙切れです。)たぶん露出アンダーのこの色調とか、こっちの気分とか、いろいろな要素があると思うが、こんな程度(Dr Martensのブーツを描いたり、「ファシスト」と書いたりしたレイシストなビラが、stopのサインの上に糊で貼られている)で私は普段は動じたりしない。が、今日はいかん。

というか、街のあちこちの標識がこんなんになってる光景を反射的に想像してしまったのがいけなかったんだと思う。それも焼き討ちされた家とか、これまでに見たAhoghillの光景と合成されて。

人間には想像力があるからね、何かを見たとき、頭の中でいろいろ連鎖していくことがある。

それが途方もない、まさにdisgustingとしか言いようのない気分をもたらすこともある。

それだけなんだが。

Ahoghillについて、9月8日のスラオさん(<Slugger O'Toole)記事:
http://www.sluggerotoole.com/archives/2005/09/slow_gradual_ro.php

Slow gradual rout of Catholics from Ahoghill
A unionist friend, who has just returned to Northern Ireland after 25 years away, confessed that he would have done precisely what several of the Catholic residents of Ahoghill have decided to do - leave: "I would not stay where I was not wanted, or where I could not trust my neighbours". That was three weeks ago and the drain of the Catholic population in that area continues. Ahoghill never had a large Catholic community, but in a village of a thousand, less than a dozen families remain.

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25年ぶりに北アイルランドに戻ってきたばかりのユニオニストの友人が決意したことは、Ahoghillのカトリック住民たちが決意したこととまったく同じだった――去ること。「自分が求められていないところ、自分の隣人たちを信用できないところには、留まる気はしない。」これは3週間前のことだが、Ahoghillからのカトリック住民の流出は続いている。Ahoghillのカトリックのコミュニティはたいして大きなものではなかったにせよ、人口1000の村で、残っている世帯数は12に満たない数になっている。


このスラオさんの記事にリンクされているガーディアンの記事:
In a corner of Antrim another generation grows up on a diet of sectarian hatred
http://www.guardian.co.uk/Northern_Ireland/Story/0,2763,1563265,00.html

記事は、村に暮らすある女性の家に、"Taigs out"(カトリックは出て行け:Taigはカトリックに対する蔑称)と叫んで若いの2人が乱入した、という記述から始まる。女性には各種のいやがらせが行われていた。

Protestant children had been paid 5 pounds each to sit on her front lawn banging drums until she caved in. If she did not go, she was told, her row of houses would be burned down.


The town of Ballymena and its surrounding villages are in the grip of the worst wave of anti-Catholic sectarian attacks for years and the police have been forced to adopt the same tactics as the UN uses in Kosovo: guarding Catholic churches, schools and Gaelic sports clubs at night to stop them being torched.


上に地名が出てくる地域、DUPのイアン・ペイズリーの選挙区なんだよね。

先日のサルコジ(フランスの内務大臣)の発言なんかもそうなんだが(あるいは都内にも似たようなのがいるのだが)、自分への支持を増やすことを目的として、自分の存在を示すために、非現実的なまでに極端な言葉を使う人がいる。ペイズリーもそのひとりだ。

Ahoghillがどうしてこういう状態になったのかはわからない。わからないけれど、見てみただけで絶望に近い気分になる。

北アイルランドで、旧ユーゴで、ルワンダで、イラクで起きている「こういう状態」、こういうの知っててさ、あれは条約で禁止されてないからとか、化学兵器だとかそうじゃないとか、そんなんどうでもいいって思うわけよ。

人を壊し、人の暮らしを壊し、人のつながりを壊し、人のこころを壊す。

そのために用いられる「道具」や「思想」や「言葉」。

そういうものについて、脊髄反射でdisgustingだと思うことは、自分が人間だってことじゃないか?

(人間じゃなくて犬とか猫とかでもそういうのは嫌うかもしれないけれど。)
posted by nofrills at 10:03| todays_news_from_uk | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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