2005年12月27日

17世紀イングランド、元祖キリスト教原理主義(←キャッチコピー)

London Underground Tube Diary経由、ミンスミート・パイの歴史
1657 - Oliver Cromwell (1599-1658), the self-proclaimed Lord Protector of England from 1649 until 1658, detested Christmas as a pagan holiday (one not sanctioned by the Bible, that promoted gluttony and drunkenness). Oliver Cromwell's Puritan Council abolished Christmas on December 22, 1657. In London, soldiers were ordered to go round the streets and take, by force if necessary, food being cooked for a Christmas celebration. The smell of a goose being cooked could bring trouble. Cromwell considered pies as a guilty, forbidden pleasure. The traditional mincemeat pie was banned. King Charles II (1630-1685) restored Christmas when he ascended the throne in 1660.
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1657年――1649年から1658年まで、自身をイングランド護民官としていたオリヴァー・クロムウェル(1599-1658)は、クリスマスをキリスト教以前の異教の祭日として忌み嫌い(クリスマスは聖書に書かれていないし、それを口実として暴飲暴食がはびこる)、1657年12月22日、クロムウェルのピューリタン・カウンシルはクリスマスを廃止しました。ロンドンでは兵士が街の見回りを命令され、クリスマスのお祝いのための料理は、必要な場合には武力を用いて、没収していました。がちょうを調理するにおいが問題を引き起こすこともありました。クロムウェルはパイのことを、罪深い、禁止された悦楽であると考え、伝統的なミンスミート・パイは禁止されました。1660年にチャールズ2世が(王政復古で)即位すると、クリスマスは再び元のように認められました。
クロムウェルの時代って「タリバンのような統治」がなされていたわけですね。遊び禁止、みたいな。

クロムウェルの時代、教皇を一番上とするカトリックの信仰が定着していた(上に土着宗教も混交していた)アイルランドでは強制移住&皆殺しみたいなことが行なわれていたし、その口実が「堕落したキリスト教は敵だ」だったわけですが。

ちなみにこのエントリの表題の「元祖キリスト教原理主義」ってのはキャッチコピーですが、まったくの的外れではありません。

日本語で「キリスト教原理主義」と呼んでいるものは英語ではFundamentalist Christianityで、19世紀の北米で始まったものです。対極にあったのはPapacy(法王=Popeを教会の一番上とする、つまりカトリック)

Fundamentalistという呼称は、その信仰を突き詰めようとした人たちが読んでいたものの名前、The Fundamentalsに由来します。(→オンライン版:私は読んでも理解できません。単に、クリスチャンではないので。)

The term fundamentalist, in the context of this article, derives from a series of (originally) twelve volumes entitled The Fundamentals: A Testimony To The Truth. Among this publication's 94 essays, 27 of them objected to higher criticism of the Bible, by far the largest number addressing any one topic. The essays were written by 64 British and American conservative Protestant theologians between 1910 and 1915. Using a $250,000 grant from Lyman Stewart, the head of the Union Oil Company of California, about three million sets of these books were distributed to English-speaking Protestant church workers throughout the world.
--http://en.wikipedia.org/wiki/Christian_fundamentalists


つまり、「ファンダメンタル」という連続刊行印刷物から「ファンダメンタリスト」という宗派の名前ができて、その「ファンダメンタル」という印刷物でなされていた主張が、「聖書は絶対的に正しい」「今のキリスト教は堕落している」的なものであり(つまり「聖書は絶対的に正しい」「今のキリスト教は堕落している」ってのは事実じゃなくて主張)、そういう“過激”な主張が、何を間違ったのか(<おっと失礼)、21世紀初頭の米国でものすごい力を持っている。orz

そもそも「聖書」はラテン語から英語に翻訳された時点ですったもんだがあってメルヴィン・ブラッグの『英語の冒険』の第7〜9章に詳しい)、英訳された「聖書」がほんとに「神の言葉」なのかどうかを考えたりしないんだろうか……と思ったら、Wikipedia見てたら「King James Versionだけ」なんて考えがあるのね。

そもそも聖書の英訳はプロテスタンティズムのあらわれなので、それを考えるとファンダメンタリストが英訳聖書を絶対視することには疑問はないのかも。

イスラム教では聖典(クルアーン)をアラビア語以外に翻訳したものはクルアーンそのものとは違っているという認識で、翻訳されたものは「だいたいこういう内容のことが書いてあると解説する書」扱いになってると思います。

なお、キリスト教のファンダメンタリストのことは日本語では「根本主義」といいます。「キリスト教原理主義」という用語は、他との対比で発生したもののようです。
posted by nofrills at 19:54| 雑多に | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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