2004年07月19日

イランをめぐる動き。

ある情報がすべてが完全に公にされる前に,ちょこちょこと小出しにされるということには,それ自体かなり意味があると思われるが,もうすぐ公にされることになっている米国での「9.11と政府」についての調査結果報告書の一部が,CIAから流され始めている。

何でも,CIAのacting directorがFOX NEWS(←注目)に語ったところでは,「イランと9.11を結びつける証拠はないが」(<なら言うな),9.11でのハイジャック犯の一部が,イランを経由して米国に入ったのだそうだ。
9/11 hijackers 'transited Iran'
http://news.bbc.co.uk/2/hi/americas/3905509.stmhttp://news.bbc.co.uk/2/hi/americas/3905509.stm
The US media has said the final report by the 9/11 inquiry, due out this week, will say that from October 2000, it was official Iranian policy to allow al-Qaeda members into and out of the country, without having their passports stamped.


関係ないが,私は90年ごろ(EU統合のずっと前)に英国からフランスに入ったときにパスポートに入国スタンプを押してもらえなくて,さらにフランスからイタリアへ入ったときも押してもらえなかった。どっちの場合もパスポート・コントロールは,パスポートの顔写真と私の顔を見比べた程度だったと思う。イタリアの場合など,夜行列車の中で突然起こされ「パスポルト・プリーズ」と言われ,「アー・ユー・ジャポネーズ?」「……イエス」「オー,アイム・イッタリアーノ!」という微妙なちゃんぽん語の珍問答をさせられただけだ。

つまり,この時私は日本→英国→フランス→イタリア→フランス→日本と回ったのだが,パスポートには「日本出国→英国入国→英国出国→〈パスポートに記録されていないので,パスポートだけを見ても所在が不明の期間〉→日本入国」の記録が残るだけなのだ。(昔のパスポートなのでしまいこんであって今は確認ができないのだが,ひょっとするとフランス出国のスタンプがあったかもしれない。)

パスポートのスタンプからイランとはまったく関係のない話になったが,私には上記引用文中の,official Iranian policy to allow al-Qaeda members into and out of the country, without having their passports stampedは,「アル・カーイダのメンバーじゃない人には例外なく必ずスタンプが押されていた」という確実な情報がなければ,まったく意味がないように思う。ま,それはBBC記事に書かれてないだけの話かもしれない。

一方でガーディアンの記事:
Iran rejects US claim of al-Qaida link
http://www.guardian.co.uk/iran/story/
0,12858,1264171,00.html


これにはイラン外務省スポークスパーソンの説明として,次のように書かれている。
With the focus of suspicion recently turning to Iran, Hamid Reza Asefi, an Iranian foreign ministry spokesman, yesterday acknowledged that some of the hijackers had passed through the country from Afghanistan months before the attacks. "We have long borders and it is not possible to fully control them. It is normal that five or six people who cross the border illegally over a period of five or six months may evade our attention. The same happens on the border between Mexico and the United States."


国境線が長いんだから,国境を越える人を全員チェックすることは不可能である,と。そして「メキシコと米国の国境でだって同じことが起きてるじゃないっすか」というのは,絶妙な切り返しなのか魂の叫びなのか。

「証拠はないのですが」と前置きしながら「イランはテロ支援国家だ」と言うCIA。

よく言われることだが,「AはBである」と言う場合,それが事実であるとの証拠を出さなければならないのは,それを言う主体である。「Bである」と指摘されたAの責務ではない。

またぞろ,「サダム・フセインは大量破壊兵器を持っていて,それも45分で配備可能だ。その証拠にこの衛星写真にあるこの建物はかくかくしかじかで,このトラックはかくかくしかじかを運んでいる」式の「証拠」が出てくるとは,いくら何でもあまり考えられない(あっちもこっちも「騙された!」と叫んでる最中だから)。

さて,この件に関してはどういうことが「証拠」として提示されるか。「イランの入国スタンプなしにイランを経由してきた」ハイジャック犯たちからは,もう証言を得ることもできない。

なお,ガーディアン記事では「イスラエルがイラン爆撃を準備」ということも触れられている。(文章の構成から考えるとかなり唐突に「イスラエル政府は…」が出てきます。)
The Israeli government, which bombed an Iraqi nuclear plant in 1981, has been hinting that it will mount a military strike to prevent Iran fulfilling any nuclear weapons ambitions. Iran continues to insist that it is seeking to develop its nuclear programme for peaceful purposes.


※この件,イスラエルでの報道について,はなゆーさんのところに記事あり。

上記のイスラエルの動きを述べた次のパラグラフが
The British government has meanwhile become increasingly disillusioned over Iran, the Foreign Office shifting to the view that Tehran is intent on nuclear weapons. Relations have also been strained by the failure of Tehran to return two British boats seized at the Iran-Iraq border.


これ↑はかなり重要なことのように思えますが,記事の書き方では枝葉情報に見えるかも。

話が前後しますが,米国での9.11報告書,これは先日の英国のバトラー・レポート(過去記事)と同じく,最後は誰も傷つけない(誰の責任にも帰さない)ものになる可能性はあるかもしれません。「イランがハイジャック犯を通した」とFOXに語ったCIAの長官代理は次のように述べているらしいし。
The Washington Post reported yesterday that the US commission report on the September 11 attacks would recommend a restructuring of US intelligence to create a "cabinet" with an overview of the other agencies. However, Mr McLaughlin said it would be difficult to achieve that "without adding an additional layer of bureaucracy". He said the same objective could be brought by "modest changes" to the role of CIA director.


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イラク関連のことについてはhttp://teanotwar.blogtribe.org/をご参照ください。
posted by nofrills at 19:57| todays_news_from_uk | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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