2006年08月13日

英国の、あまり報道されない「爆弾テロ」@実行済

それが「テロ」であるかどうかは英語の記事からはわからない。というのも、BBCやガーディアンなどの英語メディアではめったなことではterrorismという語は用いないからだ。(これについて興味のある方は、各メディアの表記ガイドライン style guideをご参照あれ。)

しかし日本の報道機関であれば、これは確実に「爆弾テロ」と呼んでいるだろう――一部は「未遂」ではあるのだが。

12日、英国のある地域で、軍の爆発物処理班が、町中で、複数の爆発物の処理を実行した。
Controlled explosions carried out
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/northern_ireland/4787309.stm

その前日の11日、鉄道に2箇所にわたって爆弾を仕掛けたとある組織が声明を出した。同じ組織は同じ週の水曜日にあった爆弾事件の実行も認めている。水曜日の爆弾では大型店舗4軒が燃え、けっこう大きな物的被害が出ている。
Bomb alerts close railway line
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/northern_ireland/4786369.stm

13日の日曜日になっても、爆発物が仕掛けられているらしいため、鉄道は不通の状態だ。
Bomb alerts hit transport system
http://news.bbc.co.uk/1/hi/northern_ireland/4788045.stm

さて、これはどこでしょう・・・・・・って既にネタバレしている。北アイルランドだ。

では誰の爆弾か。

★続きの閲覧、コメント、トラバなどはミラーサイトのほうにお願いします。
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2006年07月31日

"The IRA regrets the suffering of all the families whose loved ones were killed and buried by the IRA."

1つ前の記事で、北アイルランドについて「peace before justiceではあっても、peace without justiceではなかったはず」と書いたのだけれど、その関連。

ナショナリスト/リパブリカン側(おもにIRA)も、ユニオニスト/ロイヤリスト側(UDA、UVFなど)も、彼らの動機が政治的なものであったということから、その罪を法的にあがなわなくてもよいことになっている。それがグッドフライデー合意だ。せいぜいが、「あの時はあなたの家族を殺して申し訳ないことをしたと思っている」と言うだけ。

最も近いところではこれか。
IRA insists victim was informer(←この見出しも意図がありすぎだが)
Last Updated: Saturday, 8 July 2006, 15:23 GMT 16:23 UK
http://news.bbc.co.uk/1/hi/northern_ireland/5160966.stm続きを読む
posted by nofrills at 15:02| todays_news_from_uk/northern_ireland | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「犯罪行為を犯した者」が「犯罪者」でなくなる(かもしれない)とき

北アイルランド名物、アルファベット・スープに新メニュー登場! PIRA, RIRA, CIRA, OIRA, INLA, UDA, UVF, LVF, UFF, DUP, UUP, UPP, RUC, PSNI, OTR (RIP) ...に続き、今月お目見えしたのは、CRJ

・・・って何なのよ、だから。

CRJ: a private deal, but is it legal?
http://www.sluggerotoole.com/index.php/weblog/comments/
crj_is_it_a_legal_deal/
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posted by nofrills at 14:18| todays_news_from_uk/northern_ireland | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ストーモント、動くか?

DUP 'has accepted power sharing'
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/northern_ireland/5226206.stm

"In these issues the DUP have conceded the principle - in terms of sharing power, the Good Friday Agreement, dialogue with Sinn Fein," he said.


つまり、シン・フェインのジェリー・アダムズいわく、「DUPは譲歩した」。

しかしBBCの記事では詳細がわからない。続きを読む
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2006年07月18日

バーベキューしてたら襲撃された――デリー(北アイルランド)

Man 'critical' after gang attack
http://news.bbc.co.uk/1/hi/northern_ireland/5186604.stm

デリー(ロンドンデリー)のWaterside areaのChapel Roadのある家の裏で、先週末、ある男性の送別会が開かれていた。まもなくアゼルバイジャンで教職に就くその男性を送り出すために、カトリックもプロテスタントも含む友人たち(その中にはイングランド人、ルーマニア人、ポーランド人もいた)が集まって、バーベキューをしていた。20人ほどが集まり、和気藹々と過ごしたあと、何人かが残ってゴミを燃やすなど後片付けをしていた。時間は午前3:40ごろ。

そこをthugsが襲撃した。3人の男性が暴行を受け、1人(29歳)は頭部に重傷を負い、ベルファストの大病院に搬送されたが重態、1人は顎を砕かれ、1人はあざだらけ。警察ではこの襲撃を殺人未遂事件として扱っている。

バーベキューをしていた人の1人は、襲撃された理由がまったくわからないと述べている。「連中は口々にセクタリアンな言葉を発していた。こちらはそんなことにはまったく関係がなく、ただバーベキューをしていただけだ。ぼこぼこにされた私の友人にしても、連中が実際にどういう人物かを知っていれば、セクタリアンなものには関係ない人物だってことはわかったはずだ。」(つまり、「リパブリカン活動家」ではなかった、ということ。)

……というのが、BBCが報じた事件の概要。

例によってBBC記事では、襲撃されたのがどの「宗派(セクト)」に属する人なのかは直接には書かれていないが、スラオさんでは、重態の29歳男性はカトリックであるとしている。(ただしその根拠はスラオさん記事の中で明確ではない。)続きを読む
posted by nofrills at 07:18| todays_news_from_uk/northern_ireland | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

正義より優先される和平、そして「テロ組織」UDA (2)

1つ前の記事の続き(後半):書いたのは6月30日】

6月26日にスラオさんで、OTR法案での「法に基づいた正義か、正義の不在のもとの平和か」の議論のさい、英国政府は「平和のためには難しい決断をしなければならないことがある」と述べて、正義の不在のもとの平和を追求する姿勢を示した、ということが紹介されている。

まさにその点が問題なのだということは、英国政府も認識はしている。だから「難しい決断」という表現を使う。続きを読む
posted by nofrills at 06:51| todays_news_from_uk/northern_ireland | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

正義より優先される和平、そして「テロ組織」UDA (1)

6月30日に下書きのフォルダに入れてた記事をアップ。長いので2分割する。
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変な話だ。彼はその組織のメンバーであることを認めていなかったのに、その組織から追放された。まるで「結婚していないのに離婚された」ような話じゃないか。

「その組織」とはUlster Defence Association (UDA)、英国のthe Terrorism Act 2000で、その組織のメンバーであるだけで違法となる、と定められた「特定組織」(テロ組織)のひとつである。(ちなみにロイヤリスト/プロテスタント系。)最近はテロ行為より、麻薬密売や商店からのショバ代などでかなりがんばって稼いでいるギャング組織という点で目立っているかもしれない。

「彼」とはIhab Shoukri、基本的に白人優越主義者の組織であるUDAにおいては「珍しい(unlikely)」ことに、「白人」ではない。父親がエジプトから亡命してきたエジプト人(コプト教徒だそうだが)で、母親が北アイルランドの人で、弟のAndreとともに、UDA幹部……だと言われている。

弟の方はUDAの「旅団長」の立場で英国政府と交渉したりもしているが、兄の方はUDAのメンバーであることを認めていない。しかしロイヤリスト筋や治安筋は、兄も弟も両方ともUDAの幹部であるとしている。

このShoukri兄弟が、この6月、揃ってUDAから追放された。

Why UDA expelled 'unlikely loyalists'
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/northern_ireland/5101420.stm続きを読む
posted by nofrills at 06:50| todays_news_from_uk/northern_ireland | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月12日

Twelfth of July

ああもうほんといいかげんに「普通のお祭り」にならんのかこれは。アントリムのオレンジホールの全焼は放火だというし、タイロンでは11thのボンファイアでハンスト死者のポスターがこれ見よがしに燃やされ、デリーではロイヤリストとリパブリカンが衝突。スラオさんによると、12thに先立ってメディアでは「ロイヤリストに対する襲撃」が多く伝えられていたけれど、リパブリカンに対する襲撃も同じくらい発生している。

さらにひどいのが:
Meanwhile, police and politicians have condemned the people who placed a flag bearing an obscene reference to a teenage murder victim on top of a bonfire in Ahoghill, in County Antrim. [source]
続きを読む
posted by nofrills at 21:44| todays_news_from_uk/northern_ireland | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月01日

「両者」は「壁」で隔てられ、14歳の女の子が30人に襲撃される――デリー(北アイルランド)

Aの陣営とBの陣営が対立している場所がある。Aの側は、Bの側がBであるというだけで、襲撃をする。Bの側は、Aの側がAであるというだけで、襲撃をする。両者の間の「壁」がそれを防ぐ役割を果たす。

パレスチナがイスラエルの兵士を「人質」に取り、イスラエルが「ランボー・スタイル」で「人質奪還」策に出た(そしてどさくさにまぎれてか、あんなことこんなこともしている)件についてではない。

スラオさん、29日記事、Trouble brewing in Derry?に引かれている27日、Daily Ireland記事によると、デリー(ロンドンデリー)で、ロイヤリスト(プロテスタント)側の若いのがナショナリスト(カトリック)側を襲撃、腕を骨折したり頭蓋骨にヒビが入ったりといった被害者が出て、PSNI(北アイルランド警察)が、デリーの昔の壁(historic walls)の門のひとつを、夜8時に閉じる、という対策を講じた。

翌28日、Daily Irelandは、14歳の女の子がロイヤリストのギャング30人ほどに襲撃され、その女の子の一家がそのエリアから出て行くことにしたと報じている。女の子が襲撃されたとき、周囲には人がいたが、母親の話では「みな、黙って見ているだけだった。このようなことが起きたのは、うちの娘が初めてではない。」続きを読む
posted by nofrills at 18:04| todays_news_from_uk/northern_ireland | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月07日

「組織犯罪」の再定義とnational securityと。

日本のいわゆる「共謀罪」はとりあえずラインの外にクリアという状況のようだが、これと関連するんだかしないんだか、あたしゃ専門家でもなんでもないのでわからないけれども、英国でも昨年Serious Organised Crime and Police Act (SOCPA) という法律が整備されている。

この法律についてはパーラメント・スクエア(国会議事堂の向かい)で、イラクについて「経済制裁」のころから抗議の泊り込み&プラカード展示をしてきた男性をことさらに標的にしているという点で大手メディアでも個人ベースのメディアでも注目され、Wikipediaでもその点が重視された記述になっているのだけど、んー。実はそれは全体のごく一部で、SOCPAっていう法律の本質は、「組織犯罪」の再定義にあるんではないかと思えるんだけど。

……ということをそのうち書きたいと思っているというだけのメモ。どっかに書いておかないと永遠に下書きのままだろうから。(とはいえ、メモとして書いておいて放置している例が、これまでここでどれほどあっただろう。)続きを読む
posted by nofrills at 07:51| todays_news_from_uk/northern_ireland | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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